のん、『この世界の片隅に』監督の才能についてツッコミ
女優・のんがアニメ映画初主演を務めた『この世界の片隅に』の初日舞台挨拶が11月12日にテアトル新宿で開催。のんと片渕須直監督、音楽を手がけたコトリンゴが登壇した。のんは「幸せを感じる時」について尋ねられると「ポテトチップスとチョコレートを食べる時です」と笑顔で応えた。
のんは好きなシーンについて「お料理のシーンとか、生活をすることを楽しんでる姿がすごく印象的です。私は毎日3食ごはんを食べるとか、お洗濯をするとか、自分自身で生活するという才能がなかったんですが、(本作に出演してからは)ごはんを作ったり、お洗濯をする楽しさがわかってきて、生活するのが楽しくなってきました」と語った。
片渕監督は「時々、『(生活する)才能がないですよね』と、のんさんに言われます」と苦笑い。のんが「生活の才能、ないですよね?お仕事に集中されてて、ごはんを食べなくても平気だと言われて心配で」と説明すると、片渕監督は「そう。心配してくれて『何か差し入れます』と、焼きそばパンを買ってきてくれました」と話した。
6年がかりで本作を手がけた片渕監督は「2292日かかってます。ブログも最初は4人くらいで始めたんですが、どんどん応援してくださる方が増えていって。また、クラウドファンディングで3374人の方々も参加してくださった。僕ひとりの手柄じゃなくて、たくさんの方がこの映画を作ったということです」と感無量の様子。コトリンゴも「一生の宝物のような映画になりました」と喜びを口にした。
『この世界の片隅に』は、第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、日々を大切にして前を向いていく女性・すずの奮闘を描くアニメーション作品。原作は、第13回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックで、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した『マイマイ新子と千年の魔法』(09)の片渕須直が監督を務めた。【取材・文/山崎伸子】