10代から全く変わらない!?綾瀬はるかが“天才”と呼ばれる理由
今春で32歳を迎える女優・綾瀬はるか。今や押しも押されぬ国民的女優だが、その素顔は驚くほど「純粋」で屈託がない。そんな彼女のことを「年齢を重ねても“変わらない”のが天才たる所以」と称賛するのが、彼女を10代のころから知る鈴木雅之監督だ。
『本能寺ホテル』(1月14日公開)で6年ぶりにタッグを組んだ2人が、互いに軽口を叩き合いながら、これまでを振り返ってくれた。
戦国時代に行き来できる不思議なホテルを舞台にした歴史エンタテインメント『本能寺ホテル』で、戦国時代へとタイムスリップするヒロイン・繭子を演じている綾瀬はるか。鈴木監督が「“綾瀬はるか”以外、誰も演じることが出来ないキャラクター」とまで言い切った繭子は、まさに彼女のハマり役だ。
「今回の繭子役は“あて書き”と聞いていて、脚本も“自分ってこんなイメージなんだな”と思って読んでいたんです。そんな時、プロデューサーさんに『もし女優の仕事をしていなかったら何がしたい?』と聞かれて、『えー、何が出来るんだろう?』って考えていたら、『繭子と同じこと言ってますよ』と言われて。そんなふうに“やりたいこと”を考えていいのに、まず“出来ること”を考えてしまう……繭子や私と同じように考えちゃう人って、案外多いんじゃないかなって思うんです」
プロポーズされ着々と結婚準備が進んでいく中で、ふと自分の“これから”を案じ立ち止まってしまう――持ち前の天真爛漫さでごく自然に戦国時代に馴染んでみせる一方で、そんな等身大の悩みを抱えている繭子を、綾瀬は実に軽やかに演じている。
「でも案外、自分自身のことって自分が一番分かってないんですよね…」と呟く綾瀬を横目に、鈴木監督は「彼女との仕事は『プリンセス トヨトミ』以来6年ぶりなんだけど、その間、大河ドラマをやったり…今や国民的な女優さんじゃないですか。なのに“変わっていない”。これってすごいことですよね」と分析する。
「08年に『鹿男あをによし』っていうテレビドラマを一緒に撮ったんですよ。実はその時ね、『私このままで良いのかしら』と言っていたので、『このままでいてください』って懇願したんですよ。そうしたらこのままだった(笑)。でもね、根本的なものが“変わらない”って、これはもう彼女が天才たる所以なんです」。そんな鈴木監督の言葉に、「ムヘヘ」と笑って見せる綾瀬。なんだか微笑ましい空気感に、2人の信頼関係が透けて見える。
それもそのはず、綾瀬と鈴木監督の“初仕事”は2003年の『太閤記~サルと呼ばれた男』というドラマ。デビューしたてで当時18歳だった自身を、「まだプクプクしてた時!」と綾瀬が笑うそばで、鈴木監督は「すっごい変わった子だったんです」と振り返る。
「僕がロケのブースに座っていたら、後ろからツンツンと突っついてきて笑ってる(笑)。その時ね、何ていうのかなぁ~自分の脳の中で生きてるなっていう気がしたの(笑)。でも、しつこいようだけど、立派に大人になった今も綾瀬はるかの本質は変わってないんですよ」。
その一言を受けて、綾瀬が「じゃあ私、5年後も10年後も変わらない方が良いですね」とほほ笑むと、鈴木監督は「変わらない方が良いです」とキッパリ。10代、20代、30代…と年齢と共に経験を重ねた“女優・綾瀬はるか”を見守り続けてきた監督だからこそ、今撮ることができた“繭子”の姿を、ぜひスクリーンで確認してほしい。【取材・文/トライワークス】