映画ランキング - 国内映画
(2024/9/13~2024/9/15)
2024年9月16日
発表(毎週火曜更新)
2024年9月13日~2024年9月15日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『スオミの話をしよう』『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ・ゲームの世界で大冒険!』『ラストマイル』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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2024年2月から放映されている「プリキュア」シリーズの21作目「わんだふるぷりきゅあ!」の劇場版。人気ゲームの世界を舞台に、隠された秘密に挑む。歴代シリーズから「ひろがるスカイ!プリキュア」と「魔法···もっと見る
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2023年12月~2024年3月に行われたMrs. GREEN APPLEのファンクラブ会員限定ツアーに新規映像を追加して映画化。本作のために改めてアレンジされた楽曲が、観客の琴線を震わせ、真っ白なホ···もっと見る
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誰も目にしたことがない頭のなかの感情たちの世界を描き、第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したディズニー&ピクサー作品『インサイド・ヘッド』の続編。『モンスターズ・ユニバーシティ』のストーリ···もっと見る
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宇宙空間を舞台に、未知の生命体エイリアンとの死闘を描いた「エイリアン」シリーズの通算7作目。『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレスが監督を、『エイリアン』のリドリー・スコットが製作を務め、シリーズ1···もっと見る
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人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズ第31作。現代に恐竜を甦らせたテーマパークにしんのすけらカスカベ防衛隊が招待され、小さな恐竜と出会い夏休みを過ごしていく姿を描く。監督は「デュエル・マスタ···もっと見る
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紀元前の中国春秋戦国時代を舞台に、原泰久の同名漫画を実写映画化した「キングダム」シリーズの第4弾。監督も引き続き、佐藤信介が務める。『劇場』の山崎賢人、『AWAKE』の吉沢亮、『風に立つライオン』の大···もっと見る
9月13日から9月15日までの全国映画動員ランキングが発表。三谷幸喜が5年ぶりに脚本と監督を務め、長澤まさみを主演に迎えたミステリー・コメディ『スオミの話をしよう』(公開中)が初登場で首位を獲得した。
全国372館で封切られた『スオミの話をしよう』の初日から3日間の成績は、観客動員が31万3000人、興行収入は4億3900万円。「敬老の日」の祝日を含めた4日間の累計成績では動員43万1000人、興収5億9700万円となっている。好スタートではあるものの、5年前の同時期に公開された三谷監督の前作『記憶にございません!』(19)の初動4日間の成績と比較すると、動員では67%、興収では73%と少々数字を落としている。
著名な詩人の妻であるスオミ(長澤)が突然行方をくらまし、豪邸に集まったのはスオミの現在の夫である寒川(坂東彌十郎)と、4人の元夫たち(西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆)。彼らがスオミについて語り合っていくうちに、彼らの思い出のなかにあるスオミがまるで別人であることに気付いてしまうというストーリーだ。
今回が9作目となる、“三谷映画”。これまでを振り返ってみれば、前作『記憶にございません!』は興収36億4000万円、その前の『ギャラクシー街道』(15)は興行・批評的にも苦戦を強いられたとはいえ興収13億2000万円を記録し、『清洲会議』(13)は興収29億6000万円、『ステキな金縛り』(11)が興収42億8000万円、『ザ・マジックアワー』(08)が興収39億2000万円、そして『THE 有頂天ホテル』(06)が興収60億8000万円といずれも安定感抜群のヒットを記録している。
とりわけ『記憶に〜』は動員ランキングで3週連続1位に立ち、『ステキな〜』も4週連続1位だったりと、初動に偏らずに息の長い興行を展開するのも三谷映画の特徴のひとつ。そのため先述したような前作から数字を落としている点は、さほど大きな問題ではないだろう。配給の東宝の発表によれば“興収30億円”を狙えるすべりだしとのことで、今後の推移を楽しみに見守っておきたい。
ちなみにこの『スオミの話をしよう』も、先週まで3週連続で首位に立っていた『ラストマイル』(公開中)も、原作ものでも続編ものでもないオリジナル作品(『ラストマイル』に関しては、既存のテレビドラマから連なる“シェアード・ユニバース作品”ではあるが、ストーリーやキャラクター自体に連続性はない)。つまり4週続けて動員ランキングのトップに、国内の実写オリジナル作品が立ち続けていることになる。これは『花束みたいな恋をした』(21)の独壇場が続いた2021年の初頭以来だ。
すっかりアニメ作品の勢いに押され気味で、どうしても原作ありきの作品に偏りがちな国内実写映画だが、毎年1〜2本は作家の色がよくあらわれたオリジナル作品からヒットが生まれている。三谷幸喜であったり野木亜紀子であったり、坂元裕二や是枝裕和であったり。原作ものや続編ものが悪いわけではないが、そればっかりになってしまっては面白味に欠ける。こうしたオリジナリティある作品が増え、かつ興行的に成功してこそ日本映画は本当の意味で盛り上がっているといえるだろう。
さてランキングに戻ると、今週は他に2本の新作がランクイン。2位に初登場を果たしたのは、「プリキュア」シリーズの通算21作目として今年2月から放送がスタートした「わんだふるぷりきゅあ!」の単独映画となる映画『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ・ゲームの世界で大冒険!』(公開中)だ。
初日から3日間の動員は29万5000人、興収は3億6700万円を記録。これは「プリキュア」シリーズの単独映画の前作『映画デリシャスパーティ・プリキュア 夢みる・お子さまランチ!』(22)のオープニング成績と比較すると、動員では96%、興収では100%とほぼ遜色のない数字。また、祝日を含む4日間の累計成績では動員40万5000人、興収4億9700万円を記録している。
動物と人が仲良く暮らす街を舞台にし、“犬のプリキュア”が登場することでも話題となった「わんだふるぷりきゅあ」。今回の劇場版には前年の「ひろがるスカイ!プリキュア」や来年続編の放送が控える「魔法使いプリキュア!」のキャラクターたちも登場。昨年公開されたオールスター作品である『映画 プリキュアオールスターズF』(23)は、歴代の全「プリキュア」映画で最高成績となる興収15億円&観客動員119万人を突破しており、そこにどこまで近付くことができるか注目が集まるところ。
また、4位には昨年「日本レコード大賞」に輝いた人気バンドMrs. GREEN APPLEのファンクラブ会員限定で行われたライブツアー「Mrs. GREEN APPLE 2023-2024 FC TOUR “The White Lounge”」に新たな映像を加えて映画化した『Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge ㏌ CINEMA』(公開中)がランクインしている。
既存の作品では、公開4週目で3位となった『ラストマイル』が週末3日間で動員25万8000人、興収3億8900万円を好調を保ち、公開25日間の累計成績では動員271万人&興収38億円を突破。公開7週目を迎えた『インサイド・ヘッド2』(公開中)は累計で動員380万人&興収48億円を突破。そして公開10週目もトップテン圏内を守り抜いた『キングダム 大将軍の帰還』(公開中)は累計動員523万人&興収77億円を突破。日本歴代興収ランキングでは、また順位を上げて91位となっている。
以下は、1~10位までのランキング(9月6日〜9月8日)
1位『スオミの話をしよう』
2位『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ・ゲームの世界で大冒険!』
3位『ラストマイル』
4位『Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge ㏌ CINEMA』
5位『インサイド・ヘッド2』
6位『エイリアン:ロムルス』
7位『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』
8位『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』
9位『夏目アラタの結婚』
10位『キングダム 大将軍の帰還』
今週末は、「トランスフォーマー」シリーズの最新作となる3DCGムービー『トランスフォーマー/ONE』(9月20日公開)、丸山くがねの人気ノベルを原作とした「オーバーロード」シリーズ初の完全新作劇場版となる『劇場版 オーバーロード 聖王国編』(9月20日公開)、「ブラッシュアップライフ」の水野格監督と高橋文哉&田中圭がタッグを組んだミステリー『あの人が消えた』(9月20日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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