映画ランキング - 国内映画
(2024/9/27~2024/9/29)
2024年9月30日
発表(毎週火曜更新)
2024年9月27日~2024年9月29日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『ラストマイル』『劇場版 オーバーロード 聖王国編』『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ・ゲームの世界で大冒険!』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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9月27日から9月29日までの全国映画動員ランキングが発表。先週、公開5週目にして首位に返り咲きを果たした『ラストマイル』(公開中)が、この週末3日間も観客動員14万1000人&興収2億1300万円を記録し首位をキープ。これで5度目のNo. 1となり、累計成績は動員338万人、興収48億円をそれぞれ突破している。
今週トピックとして取り上げたいのは、4位に初登場を果たしたティム・バートン監督の最新作『ビートルジュース ビートルジュース』(公開中)。いわずもがな世界中に熱狂的なファンを持つバートン監督は、日本でも『チャーリーとチョコレート工場』(05)のヒットを契機に一般層までその存在が知れ渡り、おそらく監督名で作品が観られる数少ないハリウッド監督のひとりといっても過言ではないだろう。
今回の『ビートルジュース ビートルジュース』は、バートン監督の出世作(日本では最初に劇場公開されたバートン作品でもある)『ビートルジュース』(88)の36年ぶりの続編。初日から3日間の成績は動員9万1000人、興収は1億3990万円。近年のバートン監督作品や、ひと足先に公開された北米でオープニング興収1億ドルを超える爆発的なスタートを切ったことを考えるとまずまずといった出足であり、前作からの長いブランクやキャラクター自体の知名度が影響していることは否定できない。
前作に引き続きビートルジュース役を演じるマイケル・キートンといえば、「バットマン」シリーズで主人公のブルース・ウェイン/バットマンを演じ、前作『ダンボ』(19)で久々のタッグを組んだ、バートン監督にとって盟友と呼ぶべき存在。そんなキートンに加えて、ウィノナ・ライダーやキャサリン・オハラといったオリジナルキャストの再演に、新キャストとしてジェナ・オルテガ、ウィレム・デフォー、モニカ・ベルッチ、ジャスティン・セローらが加わった今作。
とりわけ注目すべきは、ライダー演じるリディアの娘アストリッドを演じているオルテガだろう。バートン監督が『ダンボ』から5年のブランクの間に製作総指揮と監督(第1話から第4話まで)を務めたNetflixシリーズ「ウェンズデー」でタイトルロールを演じていたオルテガ。同作は配信から1週間での全世界試聴時間の新記録を塗り替えるなど大反響を集め、シーズン2も待機。バートンの新たなミューズのひとりとして、目が離せない逸材だ。
肝心の作品評価については、これまで以上に“バートンワールド”全開の世界観となっており、バートン監督の独特すぎる個性に魅せられてきたファンからは概ね好評を集めている模様。もっとも、バートン作品のヒットのカギは『チャリチョコ』や『アリス・イン・ワンダーランド』(10)のように、いかに一般層に広くリーチできるか。前作を知らない世代にどこまでアプローチできるかが重要となってくるだろう。
さて、ここからはランキングに話を戻そう。前週2位に初登場を果たした『劇場版 オーバーロード 聖王国編』(公開中)は、週末3日間で動員11万6000人、興収1億8300万円を記録して今週も2位をキープ。累計成績では動員44万人、興収7億1600万円を突破している。
『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ・ゲームの世界で大冒険!』(公開中)は前週からワンランクアップで3位となり、累計成績では動員76万人、興収9億4500万円を突破。現時点で「プリキュア」の単独映画シリーズの最大のヒット作である『映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス』(13)の最終興収9億5000万円に迫っており、興収10億円の大台突破も目前。どこまで数字を伸ばせるのか注目したい。
また、三谷幸喜監督の『スオミの話をしよう』(公開中)は前週から2ランクダウンで5位となり、累計成績では動員97万人&興収13億円を突破。6位には、辻村美月のベストセラー小説を藤ヶ谷太輔と奈緒のダブル主演で映画化した『傲慢と善良』(公開中)が初登場を果たした。
そして7位には、黒沢清監督の最新作となる『Cloud クラウド』(公開中)が初登場。菅田将暉を主演に迎え、共演には古川琴音や奥平大兼、岡山天音、窪田正孝ら黒沢組初参加となる若手キャストが勢ぞろい。“転売ヤー”として働く主人公が、ネット社会を通じて増幅した見えない悪意の標的となるという日常と隣り合わせの恐怖を描いたスリラー作品となっている。
今年6月に『蛇の道』(24)が、同8月に『chime』(公開中)が公開され、いずれも映画ファンを中心に絶大な評価を獲得している黒沢監督。ヴェネチア国際映画祭とトロント国際映画祭で上映され、海外の批評家からも絶賛を集めた本作は、第97回アカデミー賞の国際長編映画賞の日本代表にも選出されている。今後SNSなどのクチコミを通じて広がりをみせてくれることだろう。
以下は、1~10位までのランキング(9月27日〜9月29日)
1位『ラストマイル』
2位『劇場版 オーバーロード 聖王国編』
3位『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ・ゲームの世界で大冒険!』
4位『ビートルジュース ビートルジュース』
5位『スオミの話をしよう』
6位『傲慢と善良』
7位『Cloud クラウド』
8位『インサイド・ヘッド2』
9位『五等分の花嫁*』
10位『Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge ㏌ CINEMA』
今週末は、北米でA24作品のオープニング興収新記録を樹立した『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(10月4日公開)、BTSのJUNG KOOKに密着したドキュメンタリー映画『JUNG KOOK: I AM STILL』(10月4日公開)、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の制作チームが再結集したアニメーション映画『ふれる。』(10月4日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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