映画ランキング - 国内映画
(2024/10/18~2024/10/20)
2024年10月21日
発表(毎週火曜更新)
2024年10月18日~2024年10月20日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『室井慎次 敗れざる者』『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』『ラストマイル』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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1997年にドラマの放送が開始され人気を博した「踊る大捜査線」シリーズの登場人物の一人、室井慎次を主人公とした2部作の前編。室井役の柳葉敏郎をはじめ、新城賢太郎役の筧利夫、沖田仁美役の真矢ミキ、緒方薫···もっと見る
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心優しい孤独な男が、“悪のカリスマ”へと姿を変えていく姿を描いた『ジョーカー』の続編。前作に引き続き、ホアキン・フェニックスが主人公のジョーカーを演じ、トッド・フィリップスが監督を務める。『ハウス・オ···もっと見る
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2つに分断され内戦が勃発した近未来のアメリカを描きだすアクション。A24が史上最高の製作費を投じて製作を務め、『エクス・マキナ』のアレックス・ガーランドがメガホンをとる。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の···もっと見る
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2023年に公開し大ヒットを記録した劇場版アニメ『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を、327カットのリテイクと音を再ダビングしたバージョン。クオリティアップした映像と音で、古賀豪監督をはじめとする制作陣が当初···もっと見る
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NEW
テレビアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」を、フィリピンで約半世紀の時を経て実写化。「ボルテスV」の熱心なファンであるマーク・A・レイエスが監督を務め、日本の劇場公開版としてフィリピン版には含まれない···もっと見る
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世界的人気グループBTSのJUNG KOOKによる初のソロシングルリリースからアルバム発売まで約8カ月にわたって世界各地を回る姿を記録したドキュメンタリー。世界224ヶ所の国と地域のファンがオン/オフ···もっと見る
10月18日から10月20日までの全国映画動員ランキングが発表。先週、初登場でNo. 1を飾った『室井慎次 敗れざる者』(公開中)が今週も首位をキープ。新たなビッグタイトルの公開がなかったこともあり、2位の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(公開中)、3位の『ラストマイル』(公開中)と、上位3タイトルが先週の順位を守り抜く結果となった。
今回ピックアップしたいのは、4位に初登場を果たした荻上直子監督の『まる』(公開中)。事故で腕を負傷した芸術家のアシスタントの日常が“◯”に侵食されていくという奇想天外な物語で、KinKi Kidsの堂本剛が『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』(97)以来27年ぶりに映画単独主演。さらに「.ENDRICHERI/堂本剛」として初の映画音楽を担当し、2002年にリリースしたソロデビュー曲「街」が「街(movie ver. )」として主題歌にも起用されるなど、堂本ファンにとってうれしいことづくめの一本だ。
全国265館で公開され、初日から3日間の成績は観客動員が4万2965人、興行収入は6124万6200円。先行有料上映分を含めると動員は4万3534人、興収は6228万4200円を記録。週末3日間の各日の成績を見る限り、公開記念舞台挨拶の全国同時生中継が行われた土曜日の成績が突出しているようだが、客層の幅広さや午前中から昼前後の上映回の動員が多いことから、平日も安定した興行が見込まれている。
また配給のアスミック・エースの調べによると、やはり客層の中心は堂本ファン。先述の通り単独主演映画は27年ぶりだが、国分太一とダブル主演だった『ファンタスティポ』(05)も19年前(かつ上映劇場が限定されていた)で、そもそも映画出演自体も『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)以来6年ぶりと、スクリーンで堂本の姿を拝めるレアな機会。ファンの気合いの入り方もひとしおのようで、劇場で販売されているグッズ類は初日から売り切れが続出しているのだとか。
堂本ファンのみならず、『かもめ食堂』(06)から『川っぺりムコリッタ』(22)まで映画ファンから厚い信頼を寄せられている荻上監督の新作とあって、中高年の男性客も多く足を運んでいる模様。堂本のスターパワーと、荻上監督のクオリティの両面を活かし、さらなる広がりを見せることに期待が持てそうだ。
ここからはランキングに戻ろう。2週連続1位を獲得した『室井慎次 敗れざる者』は週末3日間で動員14万2000人、興収2億200万円を記録。前週と比較すると、動員・興収共に56%とやや落ち方が大きいのは気がかりだが、累計成績では動員61万3000人&興収8億5700万円を突破と順調に数字を積み重ねている。
また、2週続けて2位となった『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は週末3日間で動員9万8000人、興収1億6100万円を記録し、累計では動員45万5000人、興収7億3500万円を突破。公開9週目を迎えた『ラストマイル』は週末3日間で動員5万3500人、興収7900万円を記録し、累計で動員384万人&興収54億9000万円となっている。
新作では他に2作品がランクイン。世界中で一大ムーブメントを巻き起こし、“ソリッド・シチュエーション・スリラー”というジャンルを確立した「ソウ」シリーズの通算10作目となる『ソウX』(公開中)は6位に初登場。シリーズ第1作と第2作の間に起きた出来事が描かれる本作は、北米ではシリーズ屈指の高評価を獲得。日本でも今作と同じケヴィン・グルタート監督がメガホンをとった第7作『ソウ ザ・ファイナル3D』(10)以来久々のトップテン入り。シリーズの人気再燃のきっかけとなるか楽しみなところだ。
そして1970年代に日本で放送されたロボットアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」をフィリピンで実写映画化した『ボルテスV レガシー』(公開中)は9位に初登場。SNSなどで「フィリピン映画を初めて観た」という声が多数見受けられるように、日本生まれの作品がオリジナルとはいえ、フィリピン映画が日本でそれなりの規模で公開され、こうして動員ランキングに顔を出すのは珍しいこと。普段は映画祭などでしか観る機会がないフィリピン映画が、これを機に注目を集めることになればおもしろい。
以下は、1~10位までのランキング(10月18日〜10月20日)
1位『室井慎次 敗れざる者』
2位『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』
3位『ラストマイル』
4位『まる』
5位『侍タイムスリッパー』
6位『ソウX』
7位『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
8位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版』
9位『ボルテスV レガシー』
10位『JUNG KOOK: I AM STILL』
今週末は、役所広司主演で山田風太郎の同名ファンタジー小説を実写映画化した『八犬伝』(10月25日公開)、4月期に日本テレビ系列で放送されたテレビドラマの劇場版となる『劇場版 ACMA:GAME アクマゲーム 最後の鍵』(10月25日公開)、M.ナイト・シャマラン監督の最新作『トラップ』(10月25日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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