映画ランキング - 全米映画
(2024/1/5~2024/1/7)
2024年1月8日
発表(毎週火曜更新)
2024年1月5日~2024年1月7日にアメリカで上映された映画の興行収入ランキングはこちら。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』『Night Swim』『アクアマン/失われた王国』などがランクイン!(Box Office Essentials調べ)
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1
週末興収$14,430,000
累積興収$164,654,302
『チャーリーとチョコレート工場』に登場する工場長ウィリー・ウォンカの前日譚を描くファンタジー・アドベンチャー。「パディントン」シリーズのポール・キングが監督と脚本を、「ハリー・ポッター」シリーズのデイ···もっと見る
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NEW
Night Swim
公開未定-0週末興収$12,000,000
累積興収$12,000,000
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2
週末興収$10,610,000
累積興収$100,021,279
海の生物を操る能力を持つアクアマンの活躍を描いたアクション・エンタテインメント『アクアマン』の続編。前作に引き続きジェームズ・ワンが監督、ジェイソン・モモアが主演を務める。また、前作でアクアマンの弟オ···もっと見る
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5
Anyone But You
公開未定-0週末興収$9,500,000
累積興収$43,713,644
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6
The Boys in the Boat
公開未定-0週末興収$6,020,991
累積興収$33,897,610
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8
Ferrari
公開未定-0週末興収$2,505,000
累積興収$16,005,459
2023年の北米の年間総興収は89億554万5461ドル。これは前年比120.8%で、年間100億ドル超えが続いていたコロナ禍前の“日常”をほぼ取り戻したことがわかる。それでも公開された作品数は前年比118本の587本で、コロナ禍を除けば20年前をも下回る数字。1本あたりの平均興収も2011年以降最高の1517万ドルを記録しているが、これは前回触れた24作品の“1億ドル超え”作品が押し上げた数字で(全体の4%の作品で興収の62%を占める計算となる)、全体の3分の2にあたる390本が興収100万ドルを下回っている。
年間を通してインド映画や日本映画などの躍進が見られた一方で、国内の小規模・中規模作品を中心とした多様な作品の受け皿は引き続き配信サービスでの公開に偏ったまま。これがダブルストライキの余波が大作映画におよび始める2024年、どのように影響を与えることになるのだろうか。
さて、2024年最初の週末(1月5日から7日)の北米興収ランキングは、公開4週目を迎えた『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(日本公開中)が前週に続いて首位をキープ。3日間の興収は前週比62.3%の1400万ドルと、やや下落幅が大きくなりつつあるが、北米累計興収は週末時点で1億6430万ドルに到達。全世界興収も4億7000万ドル台に突入し、『チャーリーとチョコレート工場』(05)の全世界興収(4億7496万ドル)を超えることが確実となった。
そんな『ウォンカ』にあと一歩及ばず2位スタートとなったのは、ブラムハウス製作のホラー『Night Swim』。プール付きの新居に越してきた一家を襲う恐怖を描いた作品であり、初日から3日間の興収は1179万ドル。昨年の同時期に公開された同じブラムハウス製作の『M3GAN/ミーガン』(23)と比較すると物足りない興収であり、批評集積サイト「ロッテン・トマト」では批評家からも観客からも辛辣な評価が目立つ結果に。
この『Night Swim』は、ジェームズ・ワンのプロデュース作。トップ3にはワンがメガホンをとった『アクアマン/失われた王国』(日本公開中)もランクインしており、こちらは3週目の週末も1000万ドル近い興収を記録する粘り強さで累計興収1億ドルに到達。オープニング興収は同じDCの『ザ・フラッシュ』(23)に倍近い差を付けられていたが、その最終興収を近日中にあっさり越える見込み。DC最大のヒット作の続編として、格の違いを見せつけたようだ。
そして2024年の年明けに、ひときわ興味深い興行を見せているのが公開3週目を迎えた『Anyone But You』だ。『小悪魔はなぜモテる?!』(10)のウィル・グラック監督と、「ユーフォリア」のシドニー・スウィーニー、『トップガン マーヴェリック』(22)のグレン・パウエルがタッグを組んだ同作は、シェイクスピアの「恋のから騒ぎ」を下敷きに、歪みあう男女が身内の結婚式で再会し、ひょんなことからカップルのふりをするという王道ロマコメ映画。
クリスマス直前のオープニング週末は興収600万ドルで4位スタートとなったが、2週目末は興収875万ドル、3週目末は同975万ドルと順位こそ上がらないものの右肩上がり。1月8日の平日からはデイリー興収で首位に立つなど勢いが加速しており、2500万ドルの制作費を楽々と回収。1990年代のロマコメ映画最盛期のテイストを踏襲した軽快な作風に惚れ込んだインフルエンサーたちが、TikTokを中心としたSNSで猛プッシュしていることが成功の一因にあるのだとか。ロマコメ映画が少なくなった昨今、新たなブームの火付け役となってくれることに期待したい。
文/久保田 和馬
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