映画ランキング - 全米映画
(2024/2/2~2024/2/4)
2024年2月5日
発表(毎週火曜更新)
2024年2月2日~2024年2月4日にアメリカで上映された映画の興行収入ランキングはこちら。『ARGYLLE/アーガイル』『The Chosen: Season 4 Episodes 1-3』『The Beekeeper』などがランクイン!(Box Office Essentials調べ)
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週末興収$18,000,000
累積興収$18,000,000
現実のスパイ組織の行動を言い当ててしまった人気小説家が、現実離れした出来事に巻き込まれていくスパイアクション。「ジュラシック・ワールド」シリーズのブライス・ダラス・ハワードが主人公エリーを演じ、『スリ···もっと見る
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NEW
The Chosen: Season 4 Episodes 1-3
公開未定-0週末興収$6,035,823
累積興収$7,469,039
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1
The Beekeeper
公開未定-0週末興収$5,286,616
累積興収$49,428,992
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3
週末興収$4,765,000
累積興収$201,121,372
『チャーリーとチョコレート工場』に登場する工場長ウィリー・ウォンカの前日譚を描くファンタジー・アドベンチャー。「パディントン」シリーズのポール・キングが監督と脚本を、「ハリー・ポッター」シリーズのデイ···もっと見る
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2
Mean Girls
公開未定-0週末興収$4,000,000
累積興収$66,391,038
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5
Anyone But You
公開未定-0週末興収$3,500,000
累積興収$76,281,654
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8
週末興収$2,301,532
累積興収$15,013,037
Amazon Prime Videoで2024年2月27日から独占配信。
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9
週末興収$2,015,000
累積興収$120,788,619
海の生物を操る能力を持つアクアマンの活躍を描いたアクション・エンタテインメント『アクアマン』の続編。前作に引き続きジェームズ・ワンが監督、ジェイソン・モモアが主演を務める。また、前作でアクアマンの弟オ···もっと見る
まだ閑散期が続いている先週末(2月2日から4日)の北米興収ランキングは、上位に食い込む新作タイトルが2本だけにもかかわらず、3週連続で首位を守り続けていた『Mean Girls』が一気に6位まで急降下。新たに首位に立ったのはマシュー・ヴォーン監督の最新作『ARGYLLE/アーガイル』(3月1日日本公開)だ。
凄腕のエージェントを主人公にした大人気小説を執筆している作家が、実在するスパイ組織の活動と偶然にも一致するストーリーを書いたことから追われる身となってしまうという『ARGYLLE/アーガイル』。3605館の大規模で公開を迎え、初日から3日間で興収1747万ドル。ヴォーン監督の出世作『キック・アス』(11)のオープニング興収をわずかに下回る数字で、少々物足りない出足に。まずは北米だけで興収5000万ドル超えが最初の大きな目標となるだろう。
Appleが2億ドルという破格の金額で権利を獲得したことで大きな注目が集まっていた本作。Appleといえば近年映画事業への参入に積極的で、リドリー・スコット監督の『ナポレオン』(23)やマーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(日本公開中)にも出資したことでも知られている。
この2作はどちらも第96回アカデミー賞で複数部門にノミネートされているのだが、前者は1億6500万ドルの製作費に対して全世界興収が2億1900万ドル、後者は2億ドル超の製作費に対し全世界1億5600万ドルと、興行面では赤字収支が確定的。それでもAppleは、これらの作品を通してApple TV+への加入者を増やすという“投資”に成功しており、今後も従来の映画界の常識にとらわれないかたちで参入を続けていくことになるだろう。
『ARGYLLE/アーガイル』がどのぐらいの収益に落ち着くかはまだ見通しが立たず、Appleの戦略をもってしてもかなり厳しい戦いを強いられていることは否めない。とはいえイギリスでは好調なスタートを切っており、ヴォーン作品の人気が高い韓国など海外での興行的な成功は充分に期待できると「Deadline」も報じている。公開前からシリーズ化の計画や「キングスマン」シリーズとのシェアード・ユニバース化の可能性が示唆されている作品だけに、今後の動向は要注目だ。
一方、2位に初登場を果たしたのは、2017年に放送がスタートしたイエス・キリストの生涯を描くドラマシリーズ「The Chosen」の最新シーズンの1話から3話までを劇場上映するイベント上映。同作は全世界で1億人以上が視聴したとされる人気作で、最初に劇場上映に踏み切ったのはコロナ禍の影響が残っていた2021年12月。クリスマススペシャルとして期間限定ながら興収1372万ドルを記録し、映画館への客足復活に一役買ったことでも知られている。
その後もFathom Eventsの提供のもと、2022年11月にシーズン3の1話と2話を、翌年2月には同シーズンの最終話を期間限定で劇場上映し、どちらも興行的な成功を収めている。今回上映されているのはシーズン4の1話から3話で、オープニング興収は594万ドル。シーズン4では3回に分けて全エピソードが2週間づつの期間で劇場上映されることがすでに決まっている。
劇場での鑑賞を念頭においた壮大な映像づくりなども盛り込まれているとのことで、そういった点に関しては現在日本でテレビ放送に先駆けて劇場上映されている「鬼滅の刃」ともどこか通じるものがある。先述のAppleの映画事業戦略も然り、テレビや配信サービスと劇場用作品の垣根は今後どんどん取り払われていくのだろう。
文/久保田 和馬
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