映画ランキング - 全米映画
(2024/7/12~2024/7/14)
2024年7月15日
発表(毎週火曜更新)
2024年7月12日~2024年7月14日にアメリカで上映された映画の興行収入ランキングはこちら。『怪盗グルーのミニオン超変身』『Longlegs』『インサイド・ヘッド2』などがランクイン!(Box Office Essentials調べ)
-
1
週末興収$44,650,000
累積興収$211,102,340
怪盗グルーやミニオンたちの活躍を描く「怪盗グルー」シリーズ第4弾。グルー役の笑福亭鶴瓶、ルーシー役の中島美嘉が続投するほか、『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』の片岡愛之助がグルーの高校時代の同級···もっと見る
-
NEW
Longlegs
公開未定-0週末興収$22,600,000
累積興収$22,600,000
-
2
週末興収$20,748,000
累積興収$572,592,077
誰も目にしたことがない頭のなかの感情たちの世界を描き、第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したディズニー&ピクサー作品『インサイド・ヘッド』の続編。『モンスターズ・ユニバーシティ』のストーリ···もっと見る
-
3
週末興収$11,800,000
累積興収$116,228,967
“音”を立てるものに襲いかかる“なにか”がもたらす恐怖を描いた「クワイエット・プレイス」シリーズの、始まりの日を描くホラー。『PIG/ピッグ』のマイケル・サルノスキが監督、『アス』のルピタ・ニョンゴが···もっと見る
-
NEW
週末興収$10,000,000
累積興収$10,000,000
主演はスカーレット・ヨハンソンとチャニング・テイタム。アポロ11号の月面着陸というNASAの威信を懸けた歴史的な任務を背景に、とある作戦に共に取り組むやり手のPR担当者と堅物の発射責任者を演じる。
-
5
週末興収$4,400,000
累積興収$184,875,768
ウィル・スミス&マーティン・ローレンス共演による刑事アクションシリーズ第4弾。マイアミ市警の名物コンビ、マイクとマーカス。そんな彼らの上司だった亡きハワード警部に麻薬カルテルと関係があったという汚職疑···もっと見る
-
6
Horizon: An American Saga Chapter 1
公開未定-0週末興収$2,440,000
累積興収$27,027,739
-
4
MaXXXine
公開未定-0週末興収$2,071,373
累積興収$11,776,433
-
NEW
Indian 2 (Tamil, Telugu and Hindi )
公開未定-0週末興収$1,968,696
累積興収$1,968,696
-
7
Sound of Hope: The Story of Possum Trot
公開未定-0週末興収$1,340,415
累積興収$9,765,982
先週末(7月12日から7月14日)の北米興収ランキングも、前週につづいて『怪盗グルーのミニオン超変身』(日本公開中)と『インサイド・ヘッド2』(8月1日日本公開)がほかを突き放す一騎打ちが続くと思われていたが、予想外のタイトルが2強の間に割って入るという番狂せが起きた。まずはこの、2位にランクインした『Longlegs』という作品についてチェックしていこう。
『イット・フォローズ』(14)のマイカ・モンローと、言わずと知れたスター俳優ニコラス・ケイジが共演した同作は、1990年代を舞台に不可解な連続殺人事件の捜査にあたるFBI捜査官を描いたオカルトスリラー。メガホンをとったのは『呪われし家に咲く一輪の花』(16)などを手掛けたオズ・パーキンス監督で、制作費は1000万ドルにも満たない低予算作品である。
それが初日から3日間で興収2240万ドルと、2024年公開のホラー映画としては最高のオープニング成績を記録。また、『パラサイト 半地下の家族』(19)など賞レースに絡む良作を次々と輩出してきた配給会社NEONのオープニング新記録も樹立している。このヒットの一助となったのは、デジタルに特化した画期的なプロモーションだといわれている。
タイトルを出さないティザートレーラーや、あらゆるホラー映画の上映劇場で予告編を流したり、暗号付きの広告から劇中に登場するシリアルキラーのウェブサイトに誘導したりなどなど。バイラルマーケティングの先駆けとしてかつて大成功を収めた『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(98)を参考にした一連の宣伝活動が奏功し、このヒットスタートに結びついたようだ。
ちなみにこの宣伝費用も1000万ドル未満。初動3日間でもう完全な黒字収支が確定したということだ。そしてなにより、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合は86%とジャンル映画らしからぬ高さを維持。観客からの好意的評価の割合が65%とやや伸び悩み気味なのは、宣伝効果で多様な客層に届いた証左とも捉えることができる。いずれにせよ、こうしたインディペンデント作品も存在感を示すあたり、やっと北米のサマーシーズンらしくなってきた。
とはいえこの予想外の刺客が出現しても、『怪盗グルーのミニオン超変身』はそう簡単に主役の座を譲らない。前週比58.1%となる3日間興収4359万ドルを記録し2週連続でナンバーワンに立った同作は、週末段階で北米累計興収2億1000万ドルに到達。
このペースは、「怪盗グルー」フランチャイズの現時点での最高成績である興収3億7000万ドルを記録した『ミニオンズ フィーバー』(22)とほぼ同等。先日「ミニオンズ」シリーズの第3弾の製作が正式に決定したことも、集客への大きな後押しになっていることだろう。
一方、僅差で『Longlegs』に敗れ3位となった『インサイド・ヘッド2』だが、こちらも5週目ながら週末3日間で興収1996万ドルと勢いの低下はみられない。週末段階での累計興収は5億7000万ドルを突破し、16日の火曜日には『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)を抜き去り北米におけるアニメ映画の歴代2位まで浮上している。
さらに全世界興収では、その『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を抜き去って13億8919万ドルまで到達。実写もアニメもすべて含めた全世界歴代興収ランキングでは16位まで浮上しており、昨年の最大のヒット作である『バービー』(23)の14億4563万ドル、現時点のアニメ歴代ナンバーワン作『アナと雪の女王2』(19)の14億5368万ドル、『トップガン マーヴェリック』(22)の14億9569万ドルも射程圏内。アニメ映画初の全世界15億ドル到達もいよいよ現実味を帯びてきた。
文/久保田 和馬
続きを読む