真珠湾攻撃
真珠湾攻撃
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真珠湾攻撃

1995年12月26日公開、82分、ドキュメンタリー/戦争
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アメリカ参戦の契機となった日本軍のハワイ真珠湾奇襲攻撃を扱った、海軍中佐(当時)ジョン・フォード監督・製作によるアメリカ軍の戦争プロパガンダ映画。監督は「男の敵」「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」と、アカデミー監督賞を三度受賞していたフォードと、フォードとは「怒りの葡萄」「果てなき航路」(再公開時題名「果てなき航路」)で組んだ「市民ケ-ン」「偽りの花園」の伝説的撮影監督グレッグ・トーランド。本作はトーランドにとって初の監督作品に当たり、自ら撮影だけでなく脚本も担当し、演出も大部分はトーランドの手になると言われている。音楽は「若き日のリンカン」「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」のアルフレッド・ニューマン。編集はのちに監督となるロバート・パリッシュ。戦闘シーンはすべて再現で、ミニチュアを使った大規模な爆撃シーンはフォードの古巣、20世紀フォックス映画が担当し、同社の特撮部長レイ・ケロッグの指揮で撮影。前半部では真珠湾攻撃前夜のアメリカの状況がアメリカを象徴するアンクル・サム(頭文字がUS)とミスターCの会話で進行する劇映画で、出演はアンクル・サムに「孔雀夫人(1936)」「黄金(1948)」で知られる名優ウォルター・ヒューストン(監督ジョン・ヒューストンの父)、ミスターCに名性格俳優のハリー・ダヴェンポート。真珠湾で戦死した兵士たちを象徴する水兵の霊に「スワンプ・ウォーター」のダナ・アンドリュース、死後の世界にいる先の大戦の戦死者たちの霊に「太陽は光輝く」のポール・ハースト。オリジナルの長編ヴァージョンは、戦前アメリカの孤立主義を支持する風潮への批判や、戦争準備の不足の指摘が厳し過ぎるとみなされ、海軍当局から「海軍で真珠湾が軍務をおろそかにしている印象を与える」として没収、後半の真珠湾攻撃の戦闘部分を中心に34分の短編版が43年に製作・公開された。再発見・復元され、『The Movie』との副題をつけた長編版の劇場公開は今回が世界初。短編版は44年アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞、これは前年の「ミッドウェイ海戦」がやはり同賞を獲得したことに続き、フォード監督にとっては「怒りの葡萄」から四年連続、五度目のアカデミー賞に当たる。(戦後の「静かなる男」で監督賞、監督としては最多の六度受賞)。ちなみに、発見された映像素材はデジタル・ビデオに変換されて復元されたため、今回の上映ではデジタル・マスターからのビデオ=フィルム変換によるプリント。(オリジナル35mm/16mm版上映)

ストーリー

1941年12月6日の夕方、ハワイで休日を過ごすアンクル・サム(ウォルター・ヒューストン)が地上の楽園ハワイを讃える原稿を口述筆記していると、昔からの悪友ミスターC(ハリー・ダヴェンポート)が窓から入ってくる。サムはアメリカの準州ハワイの素晴らしさを滔々と語る。Cはハワイの人口で一番多いのは日本人で、彼らは独自の文化と小社会を作っていると指摘する。サムが日系人の多くはアメリカに帰化して忠誠を誓っていると反論すると、Cは日本人は日本語学校や神社を大事に守っているし、日本領事館は日系人が使ってスパイ活動をしているという。サムは、日本がハワイの軍事施設を把握していたとしたら、逆にかなわないのが分かるから戦争なんてしかけて来ない、と言うが、Cは君がそう思いたいならご勝手にと言って去る。サムはハワイの美しさを讃えながら深い眠りに落ちる。12月7日。クリスマスも間近に迫った日曜日、ハワイ中を休みの日の深い眠りが覆っていた。ワシントンでは日本大使と米国務長官の交渉が続いているはずだった。そのとき突然、日本の爆撃機が真珠湾の軍港やヒッカム飛行場などに激しい攻撃を加えてきた。不意をつかれた米軍はなすすべもなく、真珠湾に停泊中の戦艦が轟音をあげて撃沈され、多くの兵士が戦死した。それでも米軍は必死の反撃で日本にそれなりの反撃を与えた。日本の首相東条氏は米軍に甚大な損害を与えたと喧伝するが、ハワイの米軍は本土からの増強をうけ、破損した艦船も次々と修理されて態勢の立て直しが進行中だった。日系人の多くは次々とアメリカに忠誠を誓った。天上で真珠湾の戦死者の霊(ダナ・アンドリュース)が「これが真珠湾攻撃の真実だ」と告げる。彼に第一次大戦の戦死者の霊(ポール・ハースト)が話しかける。建国以来の戦死者の霊が眠る巨大な霊園を歩きながら、真珠湾の戦死者はこんどこそ世界を永久に平和にするための、最後の戦争にするのだと、誓いを新たにするのだった。

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作品データ

原題
December 7th
製作年
1942年
製作国
アメリカ
配給
ケイブルホーグ
初公開日
1995年12月26日
上映時間
82分
製作会社
野戦撮影隊
ジャンル
ドキュメンタリー戦争


[c]キネマ旬報社