三船敏郎
竹取の造
〈かぐや姫〉の誕生から、月の世界に戻るまでをロマンスを織りまぜて描く。古来から伝わる物語の映画化で、脚本は「国士無双」の菊島隆三、映画評論家の石上三登志、「映画女優」の日高真也、同作の監督も手がけた市川崑の共何執筆。特技監督は「首都消失」の中野昭慶、撮影は「鹿鳴館」の小林節雄がそれぞれ担当。
八世紀の末。都に近い美しい山里。行商人の宇陀が竹取の家へ行き、女房の田吉女がぼんやりとしているのを目撃する。わずかの金がないばかりにたった二、三日の患いで娘の加耶を亡くしてしまったのだ。夜、閃光が空を走り、何か巨大なものが大音響とともに竹林のある山に落下する。翌日、竹取の造は竹林へ行き、加耶の墓のそばで金属物体を見つけた。墓に向かって光線が走り、物体の中にいた赤ん坊が見るまに加耶そっくりの少女に変身する。だが、その瞳は青かった。小さな水晶球を握って離さない少女を、田吉女は天からの授かりものとして育てようと言い出す。金属物体を宇陀が彫金師のところへ持ち込み、それが混りけのない金であることがわかった。宮中の紫宸殿で朝議が行われ、山里の天変地異が話題になり、大伴の大納言がわが国ではとれない純金が出廻っていることを報告する。加耶が一日で、十七、八の娘になり、竹取の造は山里を離れた場所に豪荘な邸をたてて移り住む。加耶の美しさが近隣の評判になり、かぐや姫と呼ばれるようになった。安倍の右大臣、車持の皇子、大伴の大納言の三人が彼女に求婚する。近くの長老の家の子守りで、盲目の明野に相談し、世に得がたい宝物といわれる蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣、竜の首の玉を持って来た人に嫁ぐという条件を出した。三人はそれぞれ船を仕立てて出発していった。満月の夜、水晶球を通じて加耶が月から来たことがわかった。車持の皇子、安倍の右大臣はいずれも偽物をさし出し、大伴の大納言は竜に襲われてしまう。水晶球から通信が入り、次の満月に月から迎えにくるという。帝は自分の威信にかけ、月からの使者を阻止せよと藤原の大國に命じる。満月の夜、巨大な宇宙船が月から飛来した。兵士の射る矢は何の効果もなかった。加耶は宇宙船のなげる光線の中に入って上昇していく。明野の月が見えるようになり、大伴の大納言は「かぐや姫、きっとまた会える」とつぶやくのだった。
竹取の造
妻・田吉女
娘・加耶(かぐや姫)
帝
大伴の大納言
車持の皇子
安倍の右大臣
明野
密偵・理世
僧上の道尊
商人の宇陀
藤原の大國
皇后
彫金師
坂上の太政大臣
村の長者
理世の妻
小野の房守
五歳の加耶
監督、脚本
脚本
脚本
脚本
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣裳監修
衣裳デザイン
造形
造形助手
照明
録音
音響効果
特技監督
特技撮影
特技撮影
特技美術
特技照明
操演
合成
特殊効果
視覚効果
視覚効果
助監督
製作担当者
企画
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
音楽事務
整音
スチール
資料協力
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