パク・ジフ
ウニ
第69回ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門グランプリを獲得した人間ドラマ。14歳のウニは学校に馴染めずにいるが、両親には子供たちの心と向き合う余裕がない。孤独な思いを抱える彼女の前に、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人が現れ……。キム・ボラ監督は初長編作品である本作に自身の少女時代の体験を投影させ、1990年代のソウルを舞台に思春期の少女の揺れる思いと家族との関わりを描いた。「アジアシネマ的感性」2024年8/23~9/5シモキタエキマエシネマK2にて上映
1994年、空前の経済成長を遂げる韓国のソウル。両親、姉、兄と共に集合団地に暮らす14歳のウニは、学校に馴染めず、違う学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩の女子とデートをしたりして過ごしていた。小さな餅屋を切り盛りする両親には子供たちと向き合う余裕はなく、父は長男である兄に期待。しかしその兄は親の目を盗みウニに暴力を振るっていた。そんな中、ウニが通っている漢文塾に、どこか不思議な雰囲気を漂わせる女性教師ヨンジがやってくる。ウニは自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに心を開いくように。入院したウニの見舞いに訪れたヨンジは、誰かに殴られたら黙っていてはいけないと静かに励ました。ある朝、ソンス大橋が崩落。いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯での出来事だった。まもなく、ヨンジから一通の手紙と小包がウニの元に届き……。