「ビハインド・ザ・コーヴ 捕鯨問題の謎に迫る」の八木景子監督が“クジラ”という題材をさらに深く探索するドキュメンタリー。クジラ専門店の大将や国際機関の主要人物らの証言を記録、料理としての魅力だけではなく、環境問題など多角的な視点から鯨を考察する。出演はワシントン条約元事務局長のユージン・ラポワント、NAMMCO(北大西洋海産哺乳動物委員会)事務局長・科学者のジュヌビエーヴ・デスポーテス、「シン・ゴジラ」の樋口真嗣。
ストーリー
全盛期の日本での消費量と比べて現在では1%までに衰退したクジラ産業。日本の高度成長期、日本人のタンパク源のトップはクジラだった。今では輸入に依存しているが、当時日本ではクジラの輸出も行っていたのである。そんな状況のなか、東京・神田「一乃谷」の大将・谷光男は、あえて“クジラ専門店”を運営している。現在、国内のクジラ専門店は数えるほどしかなく、一乃谷は全国のクジラ店からも一目おかれている店である。大将の谷が東北から上京して店を構えたのは、宮城県・石巻市で東日本大震災が起こる1年前の2010年。石巻市は、国内では最大の捕鯨基地である。本作ではそのクジラ専門店の大将や、ワシントン条約元事務局長のユージン・ラポワント、NAMMCO事務局長・科学者のジュヌビエーヴ・デスポーテス、東京海洋大学名誉教授の加藤秀弘、東京大学教授の八木信行らの証言を記録。クジラの料理としての魅力だけではなく、環境問題にも触れ、科学的な見地から現代におけるヴィーガンブームからの森林伐採を含め「タンパク源」のバランスの問題にも向き合ってゆく。
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