WOWOWが映画愛を詰め込んだ、唯一無二の“映画館”「W座」の10年とこれから
『おくりびと』(08)で日本アカデミー賞脚本賞を受賞した小山薫堂がナビゲーターを務め、イラストレーターの信濃八太郎が手掛けたイラストレーションとともに“今、もっとも観て欲しい映画との出会い”をテーマに新作映画を紹介していくWOWOWシネマの人気番組「W座からの招待状」。現在同番組を担当している宮田徹プロデューサーは「今年の10月からはいよいよ10周年イヤー。いまでは応援してくださる方々も増え、WOWOWのなかでも、ひときわ愛される番組に成長したことが嬉しいです」と、にこやかに「W座」への想いを語る。
「人生の体験として、記憶に残るものに寄与できたら」
2011年にWOWOWが3チャンネル放送に切り替わり、映画専門チャンネルである「WOWOWシネマ」が誕生したことを受けて放送がスタートした「W座」。宮田は「WOWOWシネマの顔を作りたいという想いと、いま一番観て欲しい映画をしっかりと枠を作って紹介するためにできた番組です」と、その成り立ちを振り返り、「この番組自体がひとつの“映画館”」というコンセプトを明かす。
「私もそうですが、映画好きの皆さんには、それぞれ好きな映画館があると思います。その劇場のラインナップが、時に人生のラインナップになったりもする。どのタイミングで、誰とどのようにしてその映画を観たか。そうした人生の体験として記憶に残るものに、『W座』が寄与できたらと思っています」。
「W座」ではこれまで450本を超える作品が放送されており、『ムーンライト』(16) や『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)のようなアカデミー賞作品賞受賞作をはじめ、『淵に立つ』(16)や『あゝ、荒野』(17)といった日本のインディペンデント映画など、そのラインナップは多種多様。放送する作品のチョイスについて訊ねてみると、「いま一番観てほしい新作映画であり、作家性の高い作品」が基準となっているとのことだ。
「映画好きの方々に是非観て欲しい作品を届けるというポリシーのもとで、作品のクオリティに反してあまり注目を浴びなかった作品や、ミニシアターでしか上映されなかった作品、また惜しくも日本未公開となった良作などを選んでいます」。
さらに宮田は、日本でもヒットを記録したメジャー作品を中心に話題作を放送する「メガヒット劇場」と、この「W座」がWOWOWシネマの核となってチャンネル全体の番組が編成されていること、両番組を毎週観るだけで年間100本以上の主要な最新映画をチェックすることができるという、“WOWOW活用術”も教えてくれた。