怖すぎるNetflixドラマも話題沸騰中…「呪怨」シリーズ約20年のあゆみを振り返る
とにかくダークな空気が渦巻く、Netflixドラマ版「呪怨:呪いの家」
『貞子vs伽倻子』に象徴されるように、キャラクターがアイコン化しすぎていた「呪怨」シリーズだが、そんな雰囲気を断ち切っているのが、Netflixオリジナルシリーズ「呪怨:呪いの家」だ。
1988年から1997年を題材とした本作。心霊研究家の小田島(荒川良々)は、オカルト番組で共演したタレントの本庄はるか(黒島結菜)が遭遇した怪奇現象の相談に乗ると、そこにある一軒の家が関係していることが判明する。同じころ、高校生の聖美(里々佳)は、転校したばかりの学校でクラスメイトに誘われ、猫が住みつくという近所の空き家に向かうのだが…。
ドラマ版の大きな特徴は、実際の80年代末から90年代の犯罪史をなぞっているということ。その時代に実際に起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件やオウム真理教による一連の事件など、凶悪犯罪がテレビやラジオを通してたびたび登場することにより、観る者に暗い歴史を思い出させ、画面上にリアリティといやな空気を漂わせている。また、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件や名古屋妊婦切り裂き殺人事件といったもの彷彿とさせる要素も随所に散りばめられており、とにかくダークな仕上がりなのだ。
また、これまでのビックリ箱的な要素は封印され、気味の悪いアングルからのショットや暗部にぼんやりと映り込む女性など、じわじわと真綿で首を絞められるような居心地の悪さを与えてくる。陰湿でじとっとした演出は、これぞJホラーというべきおぞましさだ。
1話約30分、全6話という手軽さとそのダークな世界観に魅せられ、イッキに見られてしまう「呪怨:呪いの家」。英語タイトルは「オリジンズ」となっているように、作品では呪いの家の起源が明らかになっていくが、恐怖のレベルもシリーズのオリジンである第1作目に回帰したかのよう。ぜひ、覚悟して観てほしい…。
文/トライワークス