クリストファー・ノーランが語るIMAXの魅力!『TENET テネット』『ダークナイト』“臨場感”の秘密とは
第90回アカデミー賞で作品賞と監督賞を含む8部門にノミネートされ、3部門を受賞した『ダンケルク』(17)から3年。全世界が待ち望んだクリストファー・ノーラン監督の最新作となる『TENET テネット』が9月18日(金)より公開される。
本日50歳を迎えたノーラン監督の誕生日にあわせ、彼がこだわりを持ち続けるIMAX撮影の秘密に迫ってみたい。
人類が信じ続けてきた“時間のルール”に隠された秘密を解き明かし、第三次世界大戦を止めるというミッションを課せられた2人の男を描く本作は、新型コロナウイルスの影響でいまなお混沌とした世界情勢がつづくなかで、映画興行の完全復活を告げる作品として世界中から大きな期待がそそがれている。それはこれまで手掛けてきた作品すべてで、つねに劇場体験へのこだわりを見せ続けてきたノーラン監督の強い想いがあるからにほかならない。
「ダークナイト」3部作や『インセプション』(10)などで映画ファンから圧倒的な支持を集め、いまや現代映画界を代表する映画監督のひとりとなったノーラン。彼の作品の軸となっているのは、彼自身が幼少期に映画館で体験した“スケールの大きさ”と“雄大さ”に対する感動体験だ。それを新たな映像体験として観客に追体験させる重要な役割を果たしているのが、IMAXカメラの存在だ。
「IMAXはほかの映画フォーマットではできない形で観客をアクションに放り込むことができる。映画を観に行っては、すばらしい作品が与えるスケール感や雄大さにうっとりした子どもの頃を思いださせてくれる」と語るノーラン監督は、70年代に開発されて以降おもに教育映像やドキュメンタリーの撮影に用いられてきたIMAXカメラを、『ダークナイト』(09)で自身では初めて長編劇映画に活用。「フィルムメイカーは、童心にいつも戻ろうとするものだし、そうするためには自分の作品をIMAXの大きなスクリーンに映しだすのはとてもいい方法だと思う」と想い入れの強さを明かした。