永瀬廉、伊藤健太郎らが挑んだ過酷なトレーニングとは?『弱虫ペダル』自転車シーンの誕生秘話を独占入手
「伊藤さんのメンタルは自転車競技に向いている」
一方、オールラウンダーの今泉を演じた伊藤については、永瀬とは対照的に経験者らしい安定した走りを見せられるように指導したという。「劇中で今泉が行なう、“スタンディング”というバランスを保ちながらその場で停止する高度なテクニックの指導にも力を入れました。今泉のキャラクター通り、全体的にレベルの高い伊藤さんは本当に過酷なシーンでの根性や集中力がすごかったです」と、何度も全開走で撮影するシーンでも気合十分で走りきっていたことを明かす。「伊藤さんのメンタルは、自転車競技に向いていると思いました」。
また鳴子役の坂東についても「スプリンターのダイナミックでスピード感あるダンシングに注力し、集団走行時にできるだけペースを変えずに一定で走ることなどを指導しました」と振り返り「キャストの中でも脚力があり、飲み込みも早かったので、いち早くスプリントの練習を行いました。体勢を低く、速さや辛さを表現したスプリントはさすがでした」と、“総北1年生トリオ”の底知れぬポテンシャルに賛辞を送っていた。
「キャストの全員よくぞやりきってくれました」
そんな城田が劇中で最も注目して欲しいシーンとして挙げたのは、トレーニングの成果があらわれ、全員の意識と技術が揃った「インターハイ予選前半の総北全員での集団走行シーン」と、「坂道と今泉の裏門坂シーンでの今泉」だという。「坂道を抜き去ったあと、坂道のホントの力が見たい今泉が坂道を待ちます。その時今泉は、自転車から降りて待つのではなく、乗車しながらバランスをとって停止しています。伊藤さんが気合と努力で習得したこの”スタンディング”と言う技ですが、競技者でも簡単に出来るわざではありません。簡単にやってしまうカッコイイ姿も1つの見どころポイントです」。
そして最後に「はじめは危なげに乗っていたロードバイクも撮影終わりには、完全にサイクリストになっていました。キャストの全員よくぞやりきってくれました、そしてお疲れ様」と、監修者としての喜びを語った城田。それぞれのキャラクターと、自転車、過酷なトレーニングに真正面から向き合ったキャスト陣の熱い走りと仲間同士の絆、そしてこの上ない爽快感にあふれた青春模様を、是非ともスクリーンで体感してほしい!
文/久保田 和馬