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【今週の☆☆☆】 話題沸騰の『TENET テネット』、衝撃サスペンス『ブリング・ミー・ホーム』、ドキュメンタリー『メイキング・オブ・モータウン』…週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】 話題沸騰の『TENET テネット』、衝撃サスペンス『ブリング・ミー・ホーム』、ドキュメンタリー『メイキング・オブ・モータウン』…週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今回は、9月17日から連休中の公開作品をピックアップ。鬼才クリストファー・ノーラン監督最新作、失踪した息子を捜す母親を描く衝撃サスペンス、伝説の音楽レーベルのドキュメンタリーなど、バラエティ豊かなラインナップ!

ノーランが仕掛けた超難解なパズル…『TENET テネット』(公開中)

【写真を見る】ついに公開!話題沸騰の『TENET テネット』で新たな映像体験を楽しみたい
【写真を見る】ついに公開!話題沸騰の『TENET テネット』で新たな映像体験を楽しみたい[c]2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

観客の予想や理解の一歩先を突き進み、それでもスクリーンの中で起こっていることに一瞬も目を離せなくする。そんなクリストファー・ノーラン監督の作風が沸点に達した最新作だ。第三次世界大戦が起こるとされ、主人公は時間を逆行し、人類滅亡を引き起こす物体の回収に挑む。基本ストーリーはいたってシンプルだが、まわりが時間を順行している世界に、主人公たちが逆行して侵入していくので、複雑怪奇な風景&ビジュアルが発生。カーチェイスでは車が別方向に激走し、爆発させたビルが元に戻ったり、他の映画では観たことのないアクションに、ひたすら圧倒されるのである。ただ、時間逆行の仕組みや物語の細部をすべて理解しようとすると、混乱が深まっていくのも事実。登場人物の言動は不可解だし、伏線になりそうなネタがどうでもよかったり…。2回目で意外な発見もある。同時に、明らかに辻褄が合っていない部分にも気づく。要するにこれは、ノーランが仕掛けた超難解なパズル。だから何度観ても楽しめるし、一回観て感覚で受け止め、自分の解釈で納得してもいい。どっちもアリの稀にみる怪作だ。(映画ライター・斉藤博昭)

“聖”と“邪”が交錯するスリリングな一作…『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』(公開中)

息子を探して奔走する母親役で韓国国民的女優イ・ヨンエがスクリーンに復帰!(『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』)
息子を探して奔走する母親役で韓国国民的女優イ・ヨンエがスクリーンに復帰!(『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』) [c]2019 Motown Film Limited. All Rights Reserved.

“行方不明者の捜索”をテーマにした映画は世界中で作られているが、これは韓国で製作された失踪サスペンス。6年前に忽然と消えた当時7歳の息子を捜し続ける母親の姿を描き出す。ある有力な目撃情報を得た主人公は田舎の漁村を訪れるのだが、そこには釣り場を経営する怪しげな一家と悪徳警官が潜んでいる。いかなる危険もいとわずに真実を追い求める母親を演じるのは、これが『親切なクムジャさん』以来、実に14年ぶりの映画出演作となるイ・ヨンエ。今も変わらぬ美しさを保つスター女優が悲壮感漂う母性を体現する一方、不穏なムードが渦巻く映像世界には韓国映画特有の生臭いバイオレンスが炸裂する。我が子を想う母親の“聖”と、児童虐待という社会問題の“邪”が交錯していくストーリー展開が異様なスリルをみなぎらせる一作だ。(映画ライター・高橋諭治)

名曲を生み出したメソッドが明かされる…『メイキング・オブ・モータウン』(公開中)

世界の音楽を塗り替えたレーベルの成功の秘訣とは(『メイキング・オブ・モータウン』)
世界の音楽を塗り替えたレーベルの成功の秘訣とは(『メイキング・オブ・モータウン』)[c]2019 Motown Film Limited. All Rights Reserved.

60年代から70年代にかけてソウルミュージックの名曲群を大量生産した伝説の音楽レーベル、モータウンのドキュメンタリー。過去にもモータウンをモデルにしたミュージカル『ドリームガールズ』やスタジオミュージシャンの功績に光を当てたドキュメンタリー『永遠のモータウン』などが作られているが、本作は創業者のベリー・ゴーディJr.と看板アーティストで副社長だったスモーキー・ロビンソンを案内人に、素晴らしい楽曲を次々と生み出したメソッドが明かされる。稀代の商売人でもあったゴーディには激しい毀誉褒貶がつきまとうが、本作は暗い側面に注力はせず、あくまでも“正史”としてのモータウンの歴史に迫っている。熱狂的なファンには多少物足りないかも知れないが、入門編に最適なだけでなく、現在90歳のゴーディと80歳のロビンソンが今もエネルギッシュにわちゃわちゃとふざけ合っている姿には微笑まずにいられない。音楽の魅力だけでなく、人生の荒波の先にある穏やかな境地まで見せてくれるのである。(映画ライター・村山章)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/トライワークス

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