『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のん、声優抜てきの秘話とは?片渕須直監督が読者の疑問に次々回答!

インタビュー

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のん、声優抜てきの秘話とは?片渕須直監督が読者の疑問に次々回答!

「すずさんとリンさんが出会うシーンで、結構大きな列車の音が入っているのですが、あの場所は呉線からはかなり離れていると思うのですが、なぜ列車の音を入れたのでしょうか」(50代・男性)

リンのエピソードが大きく追加された『さらにいくつもの片隅に』
リンのエピソードが大きく追加された『さらにいくつもの片隅に』[c]2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会

「僕は子どものころに、川崎の中原区に住んでいたんですが、夜になるとずっと離れた鶴見操車場の機関車の音が聞こえてきたりもしてたんです。そんなふうに音の聞こえ方や距離感も違うときがあるような気がして。自動車が全く走ってない呉の街なんだな、と思って、列車の音を入れました。実際、遊郭から呉線まで1200mくらいしか離れていないんです。呉は、音に関してはおもしろい土地で、9つの峰で囲まれていると言われてるその一つである灰ヶ峰の頂上に登ると、山で囲まれた下の街の音が手にとるように聞こえてくる気がします」

「リンさんと周作さんのことに気づいても、すずさんはリンさんも周作さんも責めることなく、むしろリンさんに寄り添っていたのは、どのように考えて描かれましたか?原作でも、心の機微を読むのがとても難しい部分だと感じました」(40代・女性)

すずにとってリンは、大切な存在
すずにとってリンは、大切な存在[c]2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会

「これに関しては、のんちゃんがとてもよく解釈を言語化してくれましたので、そのままお伝えします。すずさんが描く絵のことを、実家では妹のすみちゃんが大事にしてくれていた。でも、呉に嫁いでからの家族は、そもそもすずさんが絵を描く人だということに気づいてもいない。夫の周作さんもです。しかし、リンさんは『すいかやアイスクリームの絵を描いてほしい』と、注文してくれた。呉で唯一すずさんが絵を描くことを認めてくれた人なんです。のんちゃんは、『リンさんと周作さんのことに気づいたすずさんは、リンさんが夫の昔の想い人だとしたら、せっかく自分が絵を描くことを認めてくれる人が現れたのに、リンさんが遠ざかってしまう…リンさんのことを取られてしまう、と寂しく思うのでは』と解釈して来たのだと。僕は『バッチリです』と答えました」

リンドウの茶碗を見つけるすず
リンドウの茶碗を見つけるすず[c]2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会

■商品概要
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』Blu-ray特装限定版
価格:9,800円(税抜)
発売中
収録時間:470分【本編DISC】182分(本編168分+映像特典14分)、【特典DISC】288分
スペック:【本編DISC】ドルビーTrueHD(5.1ch)・リニアPCM(ステレオ)/AVC/BD50G/16:9<1080p High Definition>・一部16:9<1080i High Definition>、バリアフリー日本語字幕付(ON・OFF可能)
【特典DISC】リニアPCM(ステレオ・一部モノラル)/AVC/BD50G/16:9<1080i High Definition>

封入特典:●特製ブックレット
     ●特典DISC
     ・ドキュメンタリー映画『<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事』
      (2019年公開/監督:山田礼於/95分)
     ・昭和のくらし博物館特別展映画『この世界の片隅に』~すずさんのおうち展
     ・練馬アニメカーニバル2018『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』公開2ヶ月前トーク
     ・練馬アニメカーニバル2019『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』公開1ヶ月前トーク
     ・公開前劇場トーク ・東京国際映画祭2019 ・広島国際映画祭2019
     ・『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』スペシャルライブ付先行試写会
     ・劇場舞台挨拶集 ・片渕須直×町山智浩トークイベント
映像特典:特報、 特報2、 劇場予告編、 TV SPOT、 のん&岩井七世 スペシャルインタビュー&アフレコ映像、ノンクレジットエンディング
仕様:●浦谷千恵(監督補・画面構成)描き下ろしイラスト仕様特製収納ケース
   ●特製インナージャケット
※Blu-ray(通常版)[4,800円/税抜]、DVD[3,800円/税抜]共に発売中。
※映像特典は3アイテム共通。

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