11月3日は“ゴジラの日”!『シン・ゴジラ』やアニメ三部作など2010年代の動きをプレイバック
記念すべきシリーズ第1作『ゴジラ』が公開された1954年11月3日。いつからかこの11月3日を、人々は“ゴジラの日”と呼ぶようになり、その誕生を祝い始めた。昨年65周年を迎え、さらなる進化を続ける「ゴジラ」シリーズ。ハリウッドでのユニバース化、劇場アニメ化もされるなど大きな動きがあった2010年代を振り返ってみたい。
豪華キャストの出演が話題となった群像劇『シン・ゴジラ』
「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明が総監督と脚本、「平成ガメラ」三部作の樋口真嗣が監督&特技監督という体制で製作された『シン・ゴジラ』(16)。過去作とは独立した世界観という設定で、東京に突然現れた未確認生物「ゴジラ(GODZILLA)」に対し、日本国政府の様々な機関に所属する登場人物たちが事態に奔走する群像劇となっている。
長谷川博己や竹野内豊、石原さとみ、高橋一生らに加え、わずかなシーンで前田敦子や斎藤工も出演。さらに、CGで制作されたゴジラのモーションキャプチャーを、野村萬斎が務めていたことも公開後に明らかになり、豪華キャストの共演が話題となった。本作のゴジラは、通称”蒲田くん”と呼ばれる第2形態など、進化によって5つの形態が描かれ、よりグロテスクで生物的なデザインに。熱線を吐く際は下顎が左右に裂け、黒煙から火炎放射、レーザービーム状へと変化し、背びれからも熱線を放出するなど、新たな試みが加えられている。
メカゴジラやキングギドラの描写が話題となった『GODZILLA』劇場アニメ三部作
2017年からは『GODZILLA 怪獣惑星』、『GODZILLA 決戦機動増殖都市』『GODZILLA 星を喰う者』(ともに18)で構成される劇場アニメーション三部作が公開された。20世紀末に出現したゴジラら巨大生物の脅威から逃れるため、宇宙へ旅立った人類。約22年後、別惑星への移住に失敗した人類は地球に帰還するも、そこでは22万年が経過しており、約300mの大きさにまで進化した”ゴジラ・アース”との戦いを余儀なくされる。
「魔法少女まどか☆マギカ」や「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの虚淵玄が脚本と原案を担当し、マニアックなSF設定や人間の存在をめぐる哲学的な要素も盛り込まれた予測不能な物語が展開。猛禽類に似せた有人兵器ヴァルチャーやホバーバイクなどガジェットが登場するほか、メカゴジラやキングギドラが過去作とは一線を画す形で描かれ、賛否両論を巻き起こした。
ハリウッドで展開される「モンスターバース」シリーズ
ローランド・エメリッヒが監督した『GODZILLA/ゴジラ』(98)以来、16年ぶりにハリウッドでも「ゴジラ」が映画化。レジェンダリー・ピクチャーズ製作の怪獣映画がクロスオーバーする「モンスターバース」シリーズとして、『GODZILLA ゴジラ』(14)、『キングコング: 髑髏島の巨神』(17)、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(19)が公開され、ゴジラとキングコングの対決を描く『GODZILLA VS. KONG』(21年公開予定)が控えている。
かつて地上を支配していた巨大生物と、それを調査する国際研究機関「モナーク(MONARCH)」、軍隊との攻防が展開。『~キング・オブ・モンスターズ』には、ゴジラのほか、キングギドラにラドン、モスラといったおなじみの怪獣が登場したほか、伊福部昭作曲の「ゴジラのテーマ」が使用されるなど、往年のファンも歓喜の内容に。日本からは渡辺謙やMIYAVIが出演したほか、最新作『GODZILLA VS. KONG』には小栗旬の参戦も発表されている。
2021年4月より放送開始の新作アニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』
2021年4月からは、これまでとはまったく違う新たなストーリーの新作アニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』がTOKYO MXほかで放送され、Netflixにて日本先行で全世界独占配信される。アニメーション制作は「僕のヒーローアカデミア」のボンズと「宝石の国」のオレンジが共同で担当し、手描きアニメとCGアニメのハイブリッドで制作。『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(17)の高橋敦史が監督を務め、「文字渦」などで知られるSF小説家の円城塔がテレビアニメのシリーズ構成と全話脚本に初挑戦することが発表されている。現在、PVとアニメビジュアルが公開さればかりなので、さらなる続報が待たれる。
映画やアニメのほか、東宝の公式YouTubeではシュールでゆるい世界観が特徴の怪獣人形劇「ゴジばん」も配信され、ファンの関心を集めている。さらに、ゴジラの日を記念した「ゴジラ・フェス」が今年も開催され、兵庫県の淡路島にあるアニメテーマパーク「ニジゲンノモリ」に実物大ゴジラのアトラクションが設置されるなど、多方面で様々な展開がされている「ゴジラ」シリーズ。今後の動きからもますます目が離せない。
文/トライワークス