中条あやみが振り返る、カヌー選手を演じる“覚悟”「大変な役柄こそが、私を成長させてくれた」

インタビュー

中条あやみが振り返る、カヌー選手を演じる“覚悟”「大変な役柄こそが、私を成長させてくれた」

“助けて”と言えば、意外と助けてくれる人っているんだな

不屈のヒロインを演じた中条あやみを直撃!
不屈のヒロインを演じた中条あやみを直撃!撮影/野崎航正

母親、コーチ、颯太や子どもたちから気づきを得た遥は、カヌーに本気で向き合い、めきめき腕を上げていく。それは遥の精神的な成長とも呼応し、大いに周りを巻き込んでの爽やかな感動のクライマックスへと気持ちよく突き進んでいく。

遙は周りの人に支えられて新たなスタートを切る
遙は周りの人に支えられて新たなスタートを切る[c]2020 映画「水上のフライト」製作委員会

「下半身が動かない遥は、カヌーに乗る際も誰かに助けてもらう必要がある。でも水の上では、健常者も障がい者も関係なく、自由で開放的な気分になるのを、演じながら私自身も感じました。同時に、それを見てくれている周りの人たちがいるので、一人ではないという感覚もあって。さっきの話に繋がりますが、私もギャンギャン泣いて大きくなった、周りの人たちに迷惑をかけながら大人になってきました。つまり、そもそも人間って一人じゃ生きられないし、周りに迷惑を掛けるのも当然だと思うんです。“助けて”と言えば、意外と助けてくれる人っているんだな、と私自身も思えるようになりました」

ヒロインの葛藤と成長を見事に体現した
ヒロインの葛藤と成長を見事に体現した撮影/野崎航正

撮影中も続けた練習の甲斐もあり、なんと実際のカヌーのコーチから、“選手として通用する。本格的にカヌー選手を目指した方がいい”と言われたことに話を向けると、「そっちに転身しようかな、と一瞬、思いました(笑)」と恥ずかしそうに認める。「撮影中、川が流れるなかで待機しているのが大変だったり、テイクの度に狭い川幅をターンして戻っていくのも大変だったり、陽が落ちるまでに撮らなければと急かされていたら、段々速く漕げるようになっていて…。せっかく出演もしたことですし、パドル(櫂)だけでも非常に高価で、続けていくことも大変でもあるカヌーというスポーツについても、たくさんの人に知ってもらえたらうれしいです」と締めくくった。

取材・文/折田千鶴子

ヘアメイク/山口朋子 スタイリスト/上田リサ
衣装協力:Plan C、CLERGERIE、ALIITA

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