衝撃作『ファーストラヴ』撮影の裏側は?北川景子、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介、堤幸彦監督が特別座談会で明かす
「心にグッと入り込んでいくような表現が、すごく好きだなと思います」(中村)
――完成した映画の感想を教えていただけますか?
芳根「撮影期間は、環菜のことで頭がいっぱいでした。完成作を観て初めて、環菜を客観的に観ることができたように思います。撮影時とはまた違った心苦しさが生まれて、不思議な感覚になりました」
堤「自分が泣いているシーンを見ると、もらい泣きしてしまうことがあるとおっしゃっていましたよね」
芳根「自分が泣いている映像を観ると、いつも撮影時の感覚を思い出して泣いてしまうんです。でも今回は、とても客観的に環菜を観ることができたので、完成作を観てもボロボロと泣くことはなかったんです。そこで改めて、役が自分のなかから抜けたんだなと実感しました」
窪塚「たぶん芳根さんより、僕のほうが完成作を観て泣いていたと思う(笑)」
芳根「そうなんですか!?」
窪塚「脚本を読んだ時には、こんなに泣ける作品になるとは思わなくて。監督、原作、そして役者の皆さんのお芝居など、すべての歯車が噛み合って、すばらしいケミストリーが起きていた。僕は、これでもかというくらいに感動したんです。それぞれのすさまじいお芝居を目の当たりにして、この役者の皆さんと一緒に仕事ができて本当によかったなと心から思いました」
中村「僕も『好きだな』と思うシーンがとても多い作品でした。由紀と環菜が面会室で話すシーンも、環菜が見上げた空に月が浮かんでいるシーンも、とても好きです。完成作を観てすぐに堤監督にも話したんですが、映像表現という意味でも、登場人物たちの心にグッと入り込んでいくような、ねじ込んでくるような表現が見られた。そういった点も、すごく好きだなと思いますね」
北川「自分が出演している作品って、観るのが恥ずかしかったり、客観的に観られなかったりということも多いのですが、今回はお客さんとしての目線で映画を観ることができました。私は、クライマックスに出てくる環菜が見上げる空のシーンで涙が出たんです。環菜さんに変化が起きたんだなと思うと、すごく感動的でした。撮影中はズシンとくる重いシーンもたくさんありましたが、映画を観終わって清々しい気持ちになれたのが、とてもうれしかったです。是非、劇場でご覧いただければと思います!」
――本日は、貴重なお話をありがとうございました!
取材・文/成田おり枝