「足がすくむ恐怖、風化させてはいけない」震災から10年、『Fukushima 50』に寄せられた“未来”への想い
未来の子どもたちのために…若者たちの強い決心
そして、年月が過ぎるとともに少しずつ忘れられはじめていることを危惧する声が見受けられるなか、なんとしてもこの出来事を後世に伝えていきたいという力強い言葉も。それらの多くは震災発生当時まだ幼かった20代の人々からの言葉だ。
「小さな力でもみんなで力を合わせれば大きな力になります。このことを後世にも伝えていきたいです」(20代・男性)
「いまを生きるのがどれほど大切なのか、本当に生きてることが当たり前ではないんだと思えた作品であった。私たちの日本があの日一瞬で崩壊してしまったが、復興を遂げつつあるがあの日の記憶は決して忘れてはいけない。私たちが未来の子どもたちのために残していく記憶である」(20代・男性)
「この映画を見るまで“Fukushima50”と海外のメディアが報じたのは知りませんでした。観るのに非常に苦しい思いをする方もいるのかもしれませんが、絶対に見るべき作品だと私は思います」(20代・男性)
さまざまな情報が錯綜する現代で、“知る”ことの重要さ。それがあってこそ、未来に残していくことができるのだと改めて考えさせられる。
「あの日福島にいたのに知らなかったことばかり。でもだからこそ、あの時あの場所でなにがあったのかを、10年を迎えるいまだからちゃんと知っておかなきゃ。そして未来のために風化させないようにしなきゃいけないと改めて思いました」(50代・女性)
現在も日本は復興の途上にあり、同時に多くの人々が未曾有の感染症の不安にさらされる日々を過ごしている。
10年の節目となるいま、劇場に足を運べる方は劇場の大きなスクリーンで、それが難しい方は「金曜ロードSHOW!」の放送やBlu-rayなどで本作に触れ、あの時、自らの命を顧みずに闘いつづけた人々へ想いを馳せ、あの時日本になにが起きたのかを後世に語り継いでほしい。
文/久保田 和馬