カラードレスが華やぐ、第93回アカデミー賞ファッションを総まとめ!
『ノマドランド』(公開中)のクロエ・ジャオ監督が、アジア人女性監督作で監督賞及び作品賞を受賞。『ミナリ』(公開中)のユン・ヨジョンが韓国人俳優として初の助演女優賞に輝き、アンソニー・ホプキンスが史上最高齢の83歳で主演男優賞を受賞するなど、様々なサプライズに沸いた第93回アカデミー賞授賞式。新型コロナウイルス拡大の影響でソーシャルディスタンスを確保しながらのレッドカーペットセレモニーとなったが、例年以上にも思えるほどのきらびやかなドレス、明るい笑顔で会場を盛り上げていた。カラードレスや、カットアウトしたドレスをセレクトしたセレブリティが多く見受けられた、今年のアカデミー賞ファッションをチェック!
特に目立ったのが、赤いドレス。花が咲いたような鮮やかな赤いドレスで現れたのが、全編モノクロ映像で『市民ケーン』誕生の舞台裏を描いた『Mank/マンク』(公開中)で助演女優賞にノミネートされていたアマンダ・セイフライド。キリリとした赤リップを引いて、大きな笑顔を見せていたアマンダ。胸元がざっくりとV字にカットされたドレスはジョルジオ アルマーニ プリヴェの1枚で、繊細なフリルが上品さをプラスしていた。
追悼コーナーのプレゼンターを務め、長編アニメ映画賞を受賞した『ソウルフル・ワールド』(20)に声の出演を果たしていたアンジェラ・バセットも、真っ赤なドレス姿を披露。なんといっても目を引いたのが、ボリューミーな袖。くるりと後ろを振り向くと、大きなリボンのようになっており、サプライズのあるすてきなドレスだった。『ファーザー』(5月14日公開)で助演女優賞にノミネートされていたオリヴィア・コールマンは、ディオールのハイネックの赤ドレスに、ショパールのジュエリー。リース・ウィザースプーンも、プリーツの美しいディオールの赤ドレスで、明るい笑顔を見せていた。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』(7月16日公開)で主演女優賞にノミネートされていたキャリー・マリガンは、バレンチノによるゴールドのドレスで夫のマーカス・マムフォードとレッドカーペットを闊歩。アップにまとめたヘアスタイル、ふわりと広がるスカート、ウエスト部分がカットされた大胆さ、カルティエのジュエリーも美しく、ゴージャスな輝きを放っていた。
ウエスト部分を露出したイエローのヴァレンティノのドレスで個性を発揮したのが、作曲賞のプレゼンターを務めたゼンデイヤ。イエローダイヤモンドのイヤリングとネックレスはブルガリの新しいコレクションMagnifica collectionのもので、彼女のエキゾチックな魅力にぴったり。「Fight for You」で歌曲賞をしたH.E.R.も個性派ドレスで登場した。ブルーのドレスに、サングラスやメイクもブルーで統一し、会場の注目を集めていた。パワフルな存在感を見せていたのが、プレゼンターを務めたレジーナ・キング。ルイ・ヴィトンの羽がついたようなアイスブルーのドレスでセレモニー会場にさっそうと現れたレジーナの姿は、クールの一言。
また王道のホワイトドレスも、もちろん人気。『マ・レイニーのブラックボトム』で主演女優賞候補となっていたヴィオラ・デイヴィスは、繊細なカッティングがハイセンスなアレキサンダー・マックイーンのホワイトドレス。『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』(20)で助演女優賞候補となっていたマリア・バカローヴァは、チュールたっぷりのスカートがキュートでありつつ、胸元が大胆に開いた白のドレス。今年、大注目を浴びたクロエ・ジャオ監督は、三つ編みのおさげ&ホワイト系のシンプルドレスはエルメスのもので、足元はスニーカー。ナチュラルなスタイルで、授賞式では感激に満ちあふれた美しい素顔を見せていた。
文/成田おり枝