もはや野獣!ラッセル・クロウ演じる、"ウルトラ粘着”なあおり運転ドライバーが怖すぎる
日本のみならず世界中で大問題になっている“あおり運転”。あおられた経験があるという人は全ドライバーの83.1%にも及ぶと言われており、多くの人がその恐ろしさを知っているはずだ。そんなあおり運転を題材にした映画『アオラレ』が公開されているが、劇中に登場するドライバーがとにかくヤバすぎる!
悪役初挑戦とは思えない!ラッセルがあおりオヤジを怪演
割とストレスフルな日に、青信号でなかなか発進しない車にちょっかいをかけたら、運転手が常軌を逸脱したウルトラ粘着質おじさんで、さあ大変!この『アオラレ』をかいつまんで説明するとそんな物語だ。
主人公のレイチェルは、離婚協議の疲れもあり、連日の朝寝坊。急いで息子を学校に送りつつ仕事に向かうも渋滞につかまってしまう。そんな時、青信号でも一向に動く気配のないピックアップトラックに出くわし、イライラから怒鳴りながら抜き去ると、直後、その車が隣にピタリ…。運転マナーについての講釈を垂れ、謝罪を求めるドライバーの男を無視するレイチェルだったが、まもなく想像を絶する恐怖に見舞われることになってしまう。
声をかけてしまったらド級のサイコ野郎だった、というこの最恐ドライバーを演じるのが、ラッセル・クロウだ。意外にも悪役は初挑戦のラッセルと言えば、壊滅的なほど短気でハリウッドの暴れん坊としても有名。そんないつブチぎれるかわからない緊迫感を生かし、キャラクターをただならぬ怪物に昇華させている。
あおり運転だけじゃない!?激ヤバ男の暴走が止まらない
まずなにより見た目が怖い。そしてとにかくデカい!『グラディエーター』(00)から20年余り、筋骨隆々とした肉体は、ピックアップトラックさながらのビッグサイズなボディに。そしてその上には立派に蓄えられた髭&死んだ目がのぞくイカつい顔が鎮座し、異様な貫禄がムンムンだ。
そんな圧を感じさせる風体に加え、言動ももちろん激ヤバ。レイチェルの運転マナーをやけに丁寧な言葉遣いで注意し、不気味な余韻を漂わせたかと思えば、案の定、一気にブチギレて信号待ちするレイチェルのオンボロ乗用車を後ろからガンガン突きまくる始末。緩急を巧みに使い分けたあおりテクニックで、レイチェルを翻弄していく。
しかしそんなことはこの男にとっては朝飯前で、時には彼女が助けを求めた男性を躊躇なく車ではね飛ばすなど、一度キレたら銃で撃たれても止まらない野獣と化していく。加えてタチが悪いのが、頭もキレるというところ。ある方法でレイチェルの交友録を手に入れると周囲の人間に手出しをするという陰湿すぎる方法で揺さぶっていくのだ。
人目を気にせずに、人をタコ殴りにしたりとタガが外れた男の狂気を、ラッセルは圧倒的な極悪フェイスとただ者ならぬ雰囲気&負のオーラで体現。一切魅力のない悪役としてリアルな恐怖をもたらし、映画を一段も二段もスリリングな作品に押し上げているのだ。
「絶対にやらない。この映画には絶対に出演しない。恐ろしすぎる。しかも役が暗すぎる…」と、一度は拒絶反応を覚えたというキャラクターに命を吹き込んでいるラッセルの恐ろしすぎる姿に、劇場で慄いてほしい。
文/サンクレイオ翼