『科捜研の女』長寿ドラマの原動力は、沢口靖子の“清らかな魅力”。事件発生現場に潜入!

インタビュー

『科捜研の女』長寿ドラマの原動力は、沢口靖子の“清らかな魅力”。事件発生現場に潜入!

放送開始22年目を迎えたテレビドラマシリーズ「科捜研の女」の初となる映画化が実現。『科捜研の女 ‐劇場版‐』となって、スクリーンに登場する(9月3日公開)。数々の事件を解決してきた沢口靖子演じる榊マリコら科捜研チームが、今回挑むのは“世界同時多発不審死事件”というとんでもない難事件だ。MOVIE WALKER PRESSでは撮影現場に潜入し、マリコ、土門薫(内藤剛志)、風丘早月(若村麻由美)の息の合った掛け合いを目撃すると共に、「マリコは分身のような存在」という沢口、そして兼崎涼介監督、中尾亜由子プロデューサーに本作にかける意気込みを直撃。スタッフ陣の言葉から、20年以上続くシリーズの原動力が、座長・沢口靖子の“清らかな魅力”にあることが浮かび上がった。

転落事件現場を目撃!意見を出し合い豊かになっていくマリコ&土門&早月のやり取り

沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美が集結!
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美が集結![c]2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

京都府警科学捜査研究所(通称:科捜研)の法医研究員の榊マリコを中心に、捜査一課の刑事である土門薫をはじめ、科学技術を駆使する科捜研メンバーたちが、事件の真相に挑む姿を描く本シリーズ。劇場版では、マリコにとってシリーズ史上最大の敵となる天才科学者、加賀野亘(佐々木蔵之介)も参戦し、マリコたちが事件解決に向けて奮闘する。脚本は、ドラマシリーズのメインライターの1人で、「劇場版 名探偵コナン」シリーズなども手がける櫻井武晴が担った。中尾プロデューサーは「現場としては、ずっと映画化を願っていた」と口火を切り、「20周年を超え、一年間シリーズを放送するという一大プロジェクトを成し遂げたという積み重ねもあり、今回、映画化がかないました」と経緯を明かす。

筆者が訪れたのは、2020年11月の京都。片岡礼子演じる洛北医大の教授が転落死したのち、マリコ、土門らが事件現場に臨場するシーンの撮影だ。大学の一部を借りた撮影では、美しい銀杏並木のなかに死体が横たわり、鑑識や刑事役のキャストがせわしなくその場を行き交う、なんとも「科捜研の女」らしいワンシーン。京都の冬、しかも夜とあって、厳しい冷え込みとなったが、背筋をピンと伸ばして美しい笑顔を見せる沢口、おおらかなオーラを放つ内藤、解剖医の風丘役の若村は「まいど!」と元気いっぱいの声を響かせるなど、意気揚々と現場入りするキャスト陣の姿に、スタッフの熱気も高まっていく。


事件の真相は?難事件に科捜研が挑む
事件の真相は?難事件に科捜研が挑む[c]2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会

今回、風丘が転落の瞬間を目撃してしまったことから、事件現場にマリコ、土門、風丘が集合する。印象的だったのは、3人がフェイスガード越しに熱心に意見を出し合っていたこと。兼崎監督は「お三方、それぞれ台本の読み方が違ったとしても、“ここはこうなんじゃないか”“こうした方がいいのではないか”と意見を出し合って、それを揉んで、撮影に臨んでいます。“一緒に形にしていこう”というディスカッションのある、すてきな現場です」と培われたチームワークのよさを証言。

また中尾プロデューサによると、転落シーンを目撃した風丘に事情を聞く際、マリコが彼女の肩に優しく手を置く仕草は、台本にないものなのだとか。「風丘先生は転落を目撃してしまったことで、少なからず動揺している。“動揺している風丘先生”というのも新鮮ですし、若村さんの芝居の引き出しの多さを感じています。そんな場面で、マリコが風丘先生の肩に手を置いたんです。沢口さんは『これから遺体の検視を始めるけれど、“風丘先生のことを心にかけている”ということを表現したい』ということをおっしゃっていて。それぞれキャストさんのなかで役が生きているからこそ、豊かな話し合いが成立するんだなと実感しました」としみじみと語る。

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