『テルマ&ルイーズ』の絆は不滅!30周年イベントで、ジーナ・デイヴィス&スーザン・サランドンが再会
『エイリアン』(79)や『ブレード・ランナー』(82)の巨匠リドリー・スコット監督がメガホンをとり、第62回アカデミー賞で脚本賞を受賞した『テルマ&ルイーズ』(91)。同作の30周年を記念したドライブイン上映イベントが現地時間18日に、ロサンゼルスのグリークシアターで開催。主演を務めたジーナ・デイヴィスとスーザン・サランドン、脚本家のカイリー・クォーリが再集結を果たした。
本作は自由を求めて逃避行に走る2人の女性を主人公にしたロードムービー。週末のドライブ旅行に出発した専業主婦のテルマとウェイトレスのルイーズ。しかしその道中でテルマが男に襲われ、助けに入ったルイーズは男を射殺してしまう。警察に追われる身となった2人は犯罪を重ねながら、メキシコを目指して走りつづけることに…。2人が道中で出会うJ・D役として出演したブラッド・ピットが、本作をきっかけに大きな飛躍を遂げたことでも知られている。
デイヴィスは「I'm her Thelma & She's my Louise(私は彼女のテルマで、彼女は私のルイーズ)」、サランドンは「She's my Thelma & I'm her Louise(彼女は私のテルマで、私は彼女のルイーズ)」と書かれたTシャツをそれぞれ着て登場。会場に置かれた、劇中車である1966年のフォード・サンダーバード・コンバーチブルに飛び乗ったり、顔を寄せ合ってポラロイドカメラで自撮りをしたり、熱烈なキスを交わすなど劇中のシーンを次々と再現。
現地メディアのインタビューに対してデイヴィスは「この映画に対する女性の観客からの反応は、いままでに経験したことがないほど強く、それだけ多くの女性が映画の女性キャラクターから力を与えられる機会が少なかったのだと実感しました」と振り返る。一方サランドンは、当時作品に批判的な意見を述べた男性批評家がいたことに言及し「彼らは気分を害していて、私たちが殺人やあらゆるものを賞賛していると非難した男性もいました。映画のなかで友人になれそうな女性がいたことがよっぽど珍しかったのでしょう」と語った。
Q&Aセッションのなかでは、クォーリを交えながら脚本を最初に読んだ時の心境を振り返ったり、スコット監督への感謝などを語り合う。そしてサランドンは、伝説的なシーンとして語り継がれているクライマックスのキスシーンについて「互いに愛し合い、大きな瞬間が訪れていることを感じていました。私たちは1テイクで、これが正しいのだと直感したんです」と明かした。
近年の映画界のトレンドとして注目を集める「シスターフッド映画」の先駆けとして、再評価が進められている本作。いまでも仲睦まじい“テルマ&ルイーズ”の30年ぶりの帰還に、会場に集まった現代の観客たちは終始熱烈な歓迎をつづけていた。
文/久保田 和馬