第1部と第2部が5分でわかる総復習!『Gのレコンギスタ III』で、物語はいよいよ後半戦へ
富野由悠季総監督が手掛ける劇場版『Gのレコンギスタ』の第3部となる『Gのレコンギスタ III』「宇宙からの遺産」がついに公開となり、大きな話題となっている。全5部作の真ん中に位置し、後半に向けたさらなる盛り上がりのきっかけとなる本作では第1部、第2部から大きく変化した勢力図や人間関係が重要となってくる。本稿では怒濤の展開を見せる第3部をしっかりと楽しむために、また本作から観た方でも楽しめるように、前2作で描かれた敵味方の勢力や地球の状況、そして人間関係などを整理して振り返っていこう。
知っておきたい、物語の中心となるキャピタル・タワーを巡る勢力関係
『Gのレコンギスタ』の舞台となるのは、リギルド・センチュリー。かつての宇宙戦争が行われ、それにともなう宇宙技術の発展もしていたが、それらの記憶が薄くなってしまった時代。そこで、世界の中心となっているのがキャピタル・テリトリィと呼ばれる、かつての宇宙技術で作られ、前世紀から残された軌道エレベーターである〈キャピタル・タワー〉がある場所だ。
キャピタル・タワーは、地上と宇宙を結び、宇宙から地球上の全エネルギーをまかなう〈フォトン・バッテリー〉をもたらす重要な存在となっている。また、人々の生活を支えていることから信仰の対象となっており、その宗教は〈スコード教〉と呼ばれ、大きな権力を持つ存在となっていた。
一方で、キャピタル・テリトリィは、その権力や経済力をねらわれる存在でもあった。その北方には〈アメリア〉、北東には〈ゴンドワン〉と呼ばれる大陸国家が存在する。アメリアは、フォトン・バッテリーを独占するキャピタル・テリトリィを快く思っておらず軍事圧力をかけており、またゴンドワンとは大陸間戦争を行っている状況だ。
キャピタル・テリトリィは、タワーの保守点検と防衛を行うキャピタル・ガードに守られてきたが、アメリアとゴンドワンの武力侵攻を想定し、新たにさらなる武装を持つ軍隊であるキャピタル・アーミィが設立された。その結果、キャピタル・アーミィが勢力を拡大し、タワーの利権に介入しようとする状況が生まれ始めていた。
『Gのレコンギスタ』は、こうしたキャピタル・テリトリィ、アメリア、ゴンドワンの3つの国家による関係、そしてスコード教に従うキャピタル・ガードとキャピタル・アーミィによるタワーを巡る内部での権力争いが起こっている状況で物語が進む。
それに加えて、宇宙からタワーにフォトン・バッテリーを送る月の裏側にあるスペースコロニー群国家〈トワサンガ〉、さらに宇宙からの新たな脅威が地球に迫り、ますます混乱した状況が起ころうとしているのだった。