「“ビーチ”を密室に見立てる設定だけでおもしろい」謎解きタイムスリラー『オールド』を、編集部が大胆予想!
『シックス・センス』(99)のM.ナイト・シャマラン監督が新たに手がけた謎解きタイムスリラー『オールド』(8月27日公開)。南の島の楽園リゾートにある美しいプライベートビーチを舞台に、そこを訪れた家族たちに次々と奇妙な出来事が起こり始める。海には美女の死体が浮かび、ビーチを出ようとすれば強烈な頭痛に襲われ、子どもたちの体が急激に成長していくのだ。そして彼らは、時間の概念が狂ったこのビーチで、「異常なスピードで時間が経過する謎の空間」に閉じ込められてしまったことに気づくのだった。
予告編で確認できるこれらの情報以外が謎に包まれた本作。常に斬新なアイデアで観る者に衝撃を与えてきたシャマラン監督の最新作とあって、映画ファンの注目度も高い。そこで、内容が気になって仕方がないMOVIE WALKER PRESS編集長の下田、編集部員の三浦のほか、映像エンターテインメント情報誌「DVD&動画配信でーた」の編集長でシャマラン映画を愛する“シャマラニスト”でもある西川の3人で座談会を実施。仕事柄普段から数多くの映画に接する3人が、予告編から読み取れる情報をベースに『オールド』のストーリー展開を予想し、映画ファン注目のポイントや楽しみにしていることについて熱く語った。
ビーチ×急激な老化…観客の興味を惹く舞台設定の妙
三浦「予告編を観て、率直にどう思いました?」
西川「ビーチというすごく開けた場所を密室に見立てているよね。その舞台設定だけで絶対におもしろいと思った。観客の好奇心を掴む“巧さ”は相変わらずだね」
下田「私は、いきなり断崖絶壁とビーチ…とかではなくって、ゴージャスなリゾートホテルのシーンから、物語の始まりを予感させる構成が良いなと思いました。『ミッドサマー』も旅と言えば旅ですが、行き着く先は村ですし…。スリラーやホラー作品にありがちな廃墟や孤島設定に比べて、旅要素が華やかな印象です」
三浦「時計の音が入っているのもおもしろいですよね。特に“時間”がカギとは明言されていませんが、徐々にそれを意識させる映像になっていて、本編もこういう流れで進んでいくのかな?と思わせてくれる。昨年の『TENET テネット』の予告編を初めて観た時と同じ感覚になりました。スリラー版『TENET テネット』ですね!(笑)」
下田「うんうん。砂の城がサラサラ~と崩れていくシーンとか、随所で時の経過を感じさせている」
西川「ビーチという設定を生かした映画で言えば、『ロスト・バケーション』も想起させるね。あれもシチュエーションで勝利した映画でめちゃくちゃおもしろかった。本作ではさらに、“急速に老いる”の要素が加わるので、期待も大きいよね」
下田「ところで、チラシ裏のビジュアルが(アルフォンソ・)キュアロンの『ROMA/ローマ』感ありません?家族が抱き合っている姿が似ていますよね。打ちひしがれているような、なんとも言えない表情も…。“家族”がテーマでもあるのかな?」
三浦「予告編の感想を言い合っているだけなのに、ノーランやアルフォンソ・キュアロンの名前が出てくるなんてすごい(笑)。期待値の高さを感じます」
西川「女性の片足が白骨化しているメインビジュアルもすごく良いよね。映画の設定をわかりやすく説明している」
下田「『タイム』みたいなタイトルでもいいのに、あえて『オールド』にした理由も気になります」