岡田准一が『燃えよ剣』で共演の山田涼介を「1000年に1人の逸材」と絶賛
「山田くんは1000年に1人の逸材だなと感心しました」(岡田)
――今回、岡田さんはほかの方々も指導されていたんですよね?
山田「そうです。僕だけじゃなくて、新選組のメンバー全員が『先生』として岡田さんを頼っていました。現場で『ここはどうしたらいいんでしょうか?』とみんながよく聞いてしまいましたが、岡田さんはすべてにおいて丁寧に1つずつ答えてくれました。自分のシーンがなくても立ちあってくださったり、夜中にも駆けつけて手直しをしてくれたりしました」
――実際に山田さんを教えてみて、手応えはいかがでしたか?
岡田「山田くんは教えるとすぐにできるんです。やっぱり1000年に1人の逸材だなと感心しました。飲み込みが早いし、楽しかったよね。レスリングの勉強もしたよね?」
山田「しました!腰の運び方とか」
岡田「体が落とせるようにならないといけなかったのでやりましたが、なぜレスリングをやらされるのかも全然わからないままやっていたんじゃないかな」
山田「現場はとにかく緊張感がありましたが、岡田さんは指導をしながらも現場をなごませてくださった。1から100まですべてを支えてもらったと、全員が思っていると思います」
――では、土方自身は沖田をどう見ていたと思いますか?
岡田「天然理心流のメンバーにおいて、特に近藤と沖田は義兄弟っぽい感じだったのではないかと。すごく残虐なことをしている新選組ですが、いまもなお愛されている理由は、男同士の信頼というか、愛情のようなものがあったからではないかなと思っています。生死を超えたところでのつながりがある。結核の沖田がいる隣で寝られるような関係性というか、土方にとっては一緒にいて一番落ち着ける相手が沖田だったのかもしれません」
――岡田さんにとっての山田さんは、いかがでしたか?
岡田「かわいいです(笑)。思ったことを言い合えたし、信頼しながら、一緒にものを作っていけた仲間でした。後輩だからこそ言える甘えもあったし、僕もやりやすかったです。また、頑張って8kg痩せる過程も見ていました。僕や鈴木さんが肉体改造について詳しいので、地獄のようなメニューを山田くんに出したんです。そしたら山田くんが実践してげっそりとなってきて。鈴木さんと僕はいかに大変なのかを知っている分、そのしんどさや頑張りがわかるんです」
山田「本当にどうしようかと思いました(苦笑)。撮影の真ん中くらいで、沖田が死ぬ日に合わせて減量し、次の日にまた元気に殺陣をする、みたいなシーンがあって。一体どうすればいいのかなと思っていたけど、そういうことを経験してきた岡田さんたち先輩方がいっぱいいる現場だったから、いろいろ教わりながら頑張りました。そのような知識がなかったので、僕1人ではあそこまではできなかったですし、もっと危ないことをしていたかもしれない。最終的にはちゃんと動ける程度に、限界まで削るということをやれてよかったです」
岡田「低燃費のアーモンドを食べる山田くんがかわいかったです(笑)」
――今回の共演によって、お2人の距離感はかなり近づいた感じでしょうか?
山田「少しお近づきになれたなと、僕は思っています」
岡田「確かに。もともと離れてる感じもしてなかったけど(笑)。クランクインの前に『稽古をさせてください』と言われた時は、かなり距離感があった気がしますが。山田くんはすでにHey! Say! JUMPというグループで活躍しているし。でも本当に1000年に1人の逸材で、教えていてもダントツにセンスがあるなと思いました。ちょっと別格な感じです。また、動きのニュアンスや距離感を伝えてもすぐにわかってくれて、パッとできちゃう。そこは殺陣師としてうれしかったし、すごいなと思いながら見ていました」
山田「そう言っていただいて本当にうれしいです!」
確かに本編では、2人のキレのある殺陣に目を見張る。ぜひ渾身の力作『燃えよ剣』を劇場で堪能してほしい。
取材・文/山崎伸子