藤原竜也&松山ケンイチが『デスノート』以来の再タッグ!緊張感あふれる『ノイズ』の撮影現場に潜入
『デスノート the Last name』(06)以来、15年ぶりに藤原竜也と松山ケンイチが再タッグを組み、筒井哲也の漫画「ノイズ【noise】」を映画化した『ノイズ』(2022年1月28日公開)は、藤原、松山、そして神木隆之介を加えた豪華キャストで作り上げる新感覚サスペンスだ。その撮影現場にMOVIE WALKER PRESS編集部が潜入した。
絶海に浮かぶ孤島、猪狩島で黒いちじく農園を経営している泉圭太(藤原)と、圭太の親友で猟師の田辺純(松山)は、ある日、島で怪しい男を目撃する。その男は、元凶悪犯でサイコキラーの小御坂睦雄(渡辺大知)で、職を探すという名目で猪狩島を訪れていた。睦雄を警戒していた圭太と純だったが、ある出来事をきっかけに睦雄を殺めてしまう。家族や島を守るため、殺人を隠蔽することを決めた圭太と純、そして事件に巻き込まれていく新米警察官の真一郎(神木)が、刑事らの目をかいくぐり死体を隠しきるべく奔走するサスペンスだ。猪狩島という小さなコミュニティを舞台に島民たちの様々な欲望が渦巻き、スリリングな展開へと発展していく。
『ここは退屈迎えに来て』(18)『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17)『オオカミ少女と黒王子』(16)といったヒューマンドラマやラブコメディを多く手掛ける廣木隆一が監督を務め、『22年目の告白-私が殺人犯です-』(17)や『キングダム』(19)など、数々のヒット作を送りだしてきた北島直明がプロデュースする。
藤原と松山、2大スターの演技にあふれる緊張感
2020年10月19日、編集部が訪れたのは、愛知県知多郡美浜町奥田芋沢という山と海に囲まれた町だ。空き家となっていた古民家で撮影されていたのは、刑事の畠山(永瀬正敏)と青木(伊藤歩)が睦雄の居場所を探るため、事情聴取をしに圭太(藤原)の家を訪れるシーン。圭太は刑事の訪問に戸惑いながらも、少しほほえみながら淡々と質問に答えていく。「睦雄を見たことがあるか?」と畠山たちに問われた時の圭太(藤原)の表情や態度は、”なにも知らない島民の1人”になりきっていた。
この日は、陽が暮れてからも撮影が続いた。藤原と松山、そして圭太の妻を演じる黒木華が日常を過ごすシーン。俳優たちは、ビールの飲み方や会話する時の目線、移動の導線など、小さな動作の確認を怠らなかった。そして、なかでも印象的だったのは各々が1ショットで撮影するカット。藤原と松山それぞれの視線や表情からは、“なにをしでかすかわからない”と思わせるに十分な緊張感が漂っていた。
翌日は早朝から、新米警察官である真一郎役の神木が加わり、圭太が営むいちじく農園で、畠山の捜査を受けるシーンが撮影された。急にやってきた畠山に対して圭太は愛想よく返答するが、純は目線を下げており、いちじくのパック詰めをしていた手はぎこちなくなる。そんな2人を後ろから見守る真一郎の表情には隠しきれない不安が漂っており、それぞれの思惑が交錯していく。
緊張感あふれるシーンの撮影が続くなかだったが、現場にいる廣木監督とスタッフは穏やかに取材陣に接してくれた。また、出番を待つ間、藤原、松山、神木の3人が控えスペースで演技について語ったり、談笑している様子が伺え、緊張していた我々をホッとさせた。
廣木隆一の真骨頂、ロングショットが炸裂!
廣木監督といえば、ロングショットを1カットで撮影し、登場人物の心情の変化を捉える名手。『ここは退屈迎えに来て』での田舎道をげんなりしながら歩く門脇麦や、歌いながらバイクで疾走する渡辺大知の印象的な姿は記憶に新しい。
いちじく農園のビニールハウスで刑事の畠山が圭太たちに尋問するシーンもロングショットで撮影された。現場で廣木監督は撮影監督と打ち合わせを行い、その場その場で最適な撮影方法を模索する。撮影の画角が決定すると、スタッフ総出でカメラレールを作り、撮影用クレーンが配置される。
そして、小さなビニールハウス内での圭太、純、真一郎VS畠山の長い心理戦が始まった。緊張感が高まるシーンとあって、場は水を打ったように静まりかえっていた。長時間かけて撮影されたこのシーンで、キャスト陣がどのような表情を見せていたのか、どのような映像表現になっているのか。廣木監督の巧みな演出に注目してみてほしい。
このほかにも、見どころが語りつくせない本作。藤原、松山、神木をはじめとした豪華キャスト陣と骨太な演出で観る者を圧倒する廣木監督が、どのように本作を仕上げるのか、公開日を楽しみに待ちたい。