「ボス・ベイビー」最新作は「ロード・オブ・ザ・リング」で「マッドマックス」!?映画好きにたまらない小ネタまとめ
人知れず世界中に赤ちゃんを供給しているベイビー社のエリート・エージェントを描いた、ドリーム・ワークスの『ボス・ベイビー』(18)。ダンディな赤ちゃん、ボス・ベイビーの大冒険や、兄弟の絆を描いた物語は、日本でも興行収入34億円の大ヒットを記録し、“見た目は赤ちゃん、中身はおっさん”のギャップでも話題を呼んだ。そんな本作の第2弾『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』が、いよいよ12月17日(金)に日本で公開される。
今作は正真正銘のおっさんとなったボス・ベイビーことテッドと兄ティムの兄弟が25年前の姿に戻って、ティムの長女タビサが通う学校で暗躍する悪の天才博士の陰謀に挑む物語で、新たな赤ちゃんエージェント、ボス・レディも登場する。監督は前作から続投のトム・マクグラスで、ジャンル映画の大ファンだけに今回も全編にわたって映画ネタが満載。これを知れば『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』がさらに楽しくなる、オマージュや映画の小ネタを紹介しよう。
ジェームズ・ボンド風にキメたボス・ベイビー&レディ!「チャイルド・プレイ」みたいなホラーシーンも?
「ボス・ベイビー」と聞いてまず思い浮かぶのが、ネクタイにスーツ姿でジェームズ・ボンド風にキメたかわいい赤ちゃん。実はベイビー社から派遣されたエージェントだったボス・レディことティムの次女ティナの指令で、スーパーミルクを飲んでテッドとティムは赤ちゃんと少年の姿に戻ることに。ネクタイ&スーツを華麗に着こなすスーパーレディの存在は、“女性007”が活躍する『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(公開中)にも通じているようだ。
そんなティナが、自分がベイビー社の社員だと父ティムに明かすシーンもおもしろい。真夜中にティムが娘の部屋を覗くと、ベビーベッドはもぬけの殻。驚くティムの周りを不気味な奇声を上げながら、小さな影が走り回る…。ちょっぴりホラーなこの場面、まるで「チャイルド・プレイ」シリーズの悪魔の人形チャッキーだ。
「ロード・オブ・ザ・リング」で「トイ・ストーリー」みたいな人形型目覚まし時計、ウィジー
おもちゃといえば、今作にも「トイ・ストーリー」シリーズを彷彿させるおもちゃたちが登場する。その代表格、毎朝“小さき者たち”を起こすのが日課だった人形型目覚まし時計、ウィジーもしっかり活躍。三角帽子に真っ白な長髭といった“ザ・魔法使い”な出で立ちで、「ロード・オブ・ザ・リング」&「ホビット」3部作のガンダルフを思わせるセリフ回しやおとぼけぶりは、今作でも健在だ。25年にわたって屋根裏部屋のおもちゃ箱に放置され、体内時計や右腕が壊れてしまったウィジーがティムを責めるくだりは、大学生になった持ち主とおもちゃたちの絆を描いた『トイ・ストーリー3』(10)を思わせる(ちなみに、ウィジーという名前は、『トイ・ストーリー2』に登場したノドの発声器が壊れたペンギンのおもちゃ、ウィージーにも通じる)。
「マトリックス」や「ゴジラ」を意識したシーンも登場!
ウィジーと並ぶ存在が、子ども時代のティムのお気に入りだった布製の小さな羊のぬいぐるみ、メイメイ。いまは7歳の長女タビサに贈られたが、さすがにクタクタでほつれも目立つ。破れたり壊れたりするたびにティムが修繕しているが、目の代わりにボタンを縫い付けられたその姿は、かわいいけどちょっとホラーなところも含め『コララインとボタンの魔女』(09)の味わいだ。
任務の前に、ティムたちがベイビー社にバーチャル旅行をする姿は今作でも描かれた。飛行シーンや足を伸ばして手をつく華麗なポーズが、「マトリックス」シリーズのネオを思わせるのは大人になっても同じ。今作はティナが加わったことで、ネオの恋人トリニティ味も醸している。
ティムの精神年齢は7歳児のままのようで、ベイビー社に着くと悪ふざけをしてしまうのはお約束。今作ではミニチュアサイズの街並みを目にして「ゴジラだぞー!」と怪獣ごっこをし始める。ありきたりなシチュエーションだが、よく見るとミニチュアには高層ビルや富士山、お寺の門まで並んでおり、その細かな凝り方がうれしい。