“ヒーローの彼女”はいつの時代も注目の的!MJ、グウェン・ステイシー…スパイダーマン・ヒロインたちをプレイバック
数あるマーベル・ヒーローのなかでも特に高い人気を誇るスパイダーマン。“親愛なる隣人”として親しまれている彼の正体は、“スパイダーセンス”という能力を身につけた高校生のピーター・パーカー。ひょんなことからヒーロー活動を始めたティーンエイジャーのピーターが大人へと成長していくなかで、立ちはだかるヴィランたちとの戦いが描かれる物語だが、若者らしく恋愛や人間関係など様々な悩みを抱えた姿が印象的だ。そんな青春まっただなかの等身大ヒーローが活躍する「スパイダーマン」に欠かせないのがヒロインの存在。映画シリーズにおいても魅力的なヒロインとの関係が大きなウェイトを占めている。最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022年1月7日公開)の前に、映画シリーズを彩ってきたヒロインたちを振り返ってみたい。
数々のすれ違いを乗り越えてピーターと結ばれたキルスティン・ダンスト版MJ
スパイダーマンの初の本格的な映画化が、サム・ライミ監督がメガホンをとり、2002~07年にかけて製作された「スパイダーマン」シリーズだ。本作のヒロインはメリー・ジェーン・ワトソンことMJ。心優しいけれどもスポーツは苦手、友だちも少ないピーター(トビー・マグワイア)のご近所さんで、物心つく前から憧れていた幼なじみである。そんな彼女を、大ヒット作『チアーズ!』(00)に主演し青春スターとして脚光を浴びていたキルスティン・ダンストが演じている。
舞台女優を目指す恋多き女性MJと、スパイダーマンとしてのピーターとのなれ初めは、シリーズ第1作でグリーン・ゴブリンに襲撃されたイベント会場で助けられたこと。続いて雨の夜、暴漢に襲われた時にも助けに来たスパイダーマンに、MJは心惹かれてしまう。雨が降りしきるなか、MJが逆さにぶら下がったスパイダーマンのマスクを半分めくりキスするシーンは、シリーズを代表するロマンチックな名場面となった。そして『スパイダーマン2』(04)のクライマックスでスパイダーマンの正体がピーターだと知ったMJは、宇宙飛行士との結婚式を抜け出し、ピーターの元へ駆けつけた。
危険が振りかかっても、すぐにヒーローが駆けつけてくれるのは彼女ならではの特典。その一方、スパイダーマンをおびき出す囮としてグリーン・ゴブリンやドック・オクことドクター・オクトパス、ヴェノムといったヴィランたちにねらわれるマイナスな点もある。また、『スパイダーマン3』(07)では世間のスパイダーマン人気が加熱しすぎてMJが孤独を感じるひと幕もあった。そんな2人がすれ違いながら、やがて結ばれていく波乱の恋愛模様を、ライミ版は3部作を通してじっくり描いている。