“ヒーローの彼女”はいつの時代も注目の的!MJ、グウェン・ステイシー…スパイダーマン・ヒロインたちをプレイバック
思わせぶりな態度でピーターを翻弄!?クールな雰囲気も魅力のゼンデイヤ版MJ
現在進行形なのが『スパイダーマン:ホームカミング』(17)からスタートしたジョン・ワッツ監督の最新シリーズ。マーベル・スタジオと連携し、「アベンジャーズ」シリーズにも参加するという新機軸で高い評価を得ているが、ヒロインも過去シリーズとはまた違った魅力を放っている。
当初、『スパイダーマン:ホームカミング』のヒロイン的な立ち位置にいたのはリズ(ローラ・ハリアー)。学力コンテストチームのリーダーで、ピーター(トム・ホランド)が憧れを抱くスマートな上級生だ。映画オリジナルのキャラクターで、本作のヴィランであるバルチャーの娘という設定がおもしろい。ホームカミング・パーティに誘うなどいい感じに関係が進展するかと思いきや、バルチャーとの戦いでそれどころではなくなり、最後は別々の道を歩むことになった。
もう1人、本作に登場するヒロインがミシェル・ジョーンズ。学力コンテストチームのメンバーで、人付き合いが苦手な一匹オオカミ。そのイニシャルは“MJ”で、つまりメリー・ジェーン・ワトソンの派生キャラと言える。なにを考えているかわからないクールで謎めいた彼女を、本作でブレイクしたゼンデイヤが演じている。
新MJがヒロイン枠にはまるのは、次作の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)から。高校のヨーロッパ研修旅行に参加したピーターは、旅先でMJへの告白のチャンスをねらっていて、対する彼女もこちらに視線を向けているなどまんざらでもない様子。ある晩、意を決して、ピーターはその想いを告げようとするが、逆にMJから「あなた、スパイダーマンでしょ?」と言われてしまう。その鋭い洞察力もゼンデイヤ版MJの特徴だ。
ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)との激闘後、ピーターのもとへ駆けつけたMJの手には、博物館から拝借したモーニングスターが。「戦いに役立つと思って!」と語るその姿も愛らしい。そして、スパイダーマンと疑ってピーターを目で追っていたというのは嘘で、本当は彼に惹かれていたと本心を明かす。クールを装っているが実は不器用で、思っていることとは違うことを言ったり、周りから見ると少し変わった行動を取ったりしてしまうのもMJの魅力なのだ。今シリーズは過去2作と比べ最も若い16歳という設定で、映画のラストでピーターはMJをニューヨークのビル群へ空中散歩に連れ出すが、ロマンチックというよりジェットコースター的なノリなのもシリーズの“らしさ”と言えるだろう。
シリーズと共に変化してきたヒロインたちのファッションも見どころ!
このほか、劇中のファッションも「スパイダーマン」シリーズのヒロインの注目すべきポイントだ。ライミ版の第1作が制作されたのが2002年、最新作『ノー・ウェイ・ホーム』までおよそ20年経過していることを考えると、それぞれのシリーズで、時代を感じるヘアスタイルやファッションを楽しむことができる。
ダンスト版のMJは、高校時代はヘアバンドをしたりするカジュアルなものだったが、卒業後に女優として活躍するようになると、ドレスアップして華やかなパーティに出席することも増え、よりファッショナブルに。当時の交際相手であるハリー(ジェームズ・フランコ)の父、ノーマン(ウィレム・デフォー)の趣味が黒であると知った際には黒い服を着てくるなど、年齢とTPOに合わせた服のチョイスをしている。一方で、ストーン演じるグウェンは、ライミ版で登場したグウェンもそうだったように、金髪という印象が強い。秀才キャラらしくきっちりとしたポニーテールに、当時の高校生によく見られたミニスカにニーハイやロングブーツ、黒やブルーなどシックな色合いが多かった。ゼンデイヤ版MJの飾らないラフなパンツルックは彼女の個性を表しているが、クラスメイトたちとオペラへ行く場面では花柄のドレスも着こなしていて、華やかな魅力もどんどん増している。
はたして、最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でMJはどんな活躍を見せるのか。解禁されている予告映像では、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)を相手に対等に意見を発言し、高所から落下する絶体絶命の場面も確認でき、前作以上に登場シーンは多そう。ライミ版MJ役のキルスティン・ダンストが出演との噂もあるが、その行方も含め最新作はぜひヒロインにも注目してほしい。
文/神武団四郎