映画で楽しむ“カウントダウンパーティ”!恋にキスに大騒動…なにかが起こる予感 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
映画で楽しむ“カウントダウンパーティ”!恋にキスに大騒動…なにかが起こる予感

コラム

映画で楽しむ“カウントダウンパーティ”!恋にキスに大騒動…なにかが起こる予感

しかし時には華やかなパーティとその後の悲惨な状況の落差に愕然とさせられることも。

海洋パニック映画の金字塔『ポセイドン・アドベンチャー』(72)が冒頭で描くのは、ギリシャへと向かう豪華客船“ポセイドン”で開かれたニューイヤーズ・イブのパーティ。しかし海底地震による大津波に襲われた客船は無残にも転覆し、大勢の乗客が船内に取り残されてしまう。

『ポセイドン・アドベンチャー』公開後には続編やリメイク、テレビ映画も作られた
『ポセイドン・アドベンチャー』公開後には続編やリメイク、テレビ映画も作られた写真:EVERETT/アフロ

この作品のリメイクとなるウォルフガング・ペーターゼン監督によるカート・ラッセル主演作『ポセイドン』(06)でも、やはり舞台となったのは豪華客船の年越しパーティ。ディスコにカジノ、バンド演奏など思い思いの時間を過ごし、赤いドレスに身を包んだ歌手のカウントダウンとともに乗客&乗務員が新年を迎えた喜びを祝い合った。

カート・ラッセルが元消防士のロバート役を熱演!『ポセイドン』
カート・ラッセルが元消防士のロバート役を熱演!『ポセイドン』写真:EVERETT/アフロ

一方、パニック映画ほど絶体絶命ではないにせよ、ハラハラさせられるのが以下の3作品。

アデライン、100年目の恋』(15)では、ホテルで開かれたゴージャスな大晦日のパーティで友人と楽しい時を過ごすヒロインのアデライン(ブレイク・ライブリー)に、青年エリスが一目で恋に落ちる。会場ではアデラインもエリスに目を留めていたものの、知的な会話で積極的にアプローチをかけてくる彼をやんわりながらきっぱりと拒絶。実はアデラインは人との接触を制限して身を隠すように生きている。なぜなら彼女は29歳で老化が止まり、100歳以上になっても若いまま生き続けているという秘密があったのだ。

『アデライン、100年目の恋』でブレイク・ライブリーが美しいアデラインを体現!
『アデライン、100年目の恋』でブレイク・ライブリーが美しいアデラインを体現!写真:EVERETT/アフロ

そしてポール・トーマス・アンダーソン監督とダニエル・デイ=ルイスの二度目のタッグとなった『ファントム・スレッド』(17)。洗練されたオートクチュールの世界で君臨する天才的な仕立て屋のレイノルズ(デイ=ルイス)は、創作のインスピレーションを得るためにミューズを“使い捨て”してきた。しかし新たにミューズに抜擢した情熱的なアルマにかき乱されたレイノルズは、いつしか彼女を愛しはじめる。そして1人で彼女が大晦日のパーティに出かけたことを知った彼は、たまらず会場へ。そこでは群衆がひしめき合う騒々しくも盛大な年越しパーティが開かれていた。

最後は19世紀のロシアを舞台とする歴史ロマンス『シルバー・スケート』(20)。雪と氷に覆われたサンクトペテルブルクで、職を失った貧しい主人公マトヴェイ(フョードル・フェドートフ)は“スケート靴を履いたスリ集団”に加わることになる。ひょんなことから貴族の美しい令嬢アリサ(ソーニャ・プリス)と出会い、愛し合うようになるが、アリサには別の相手との望まない結婚話が。絶望感に苛まれたアリサはロシア貴族が開いた大晦日の仮面舞踏会に赴く。大邸宅が電飾で飾られ、招待された高貴な人々がダンスに興じる様子が興味深い。ロシア版「ロミオとジュリエット」と呼ばれる本作では、ダイナミックなスケートアクションと“ヴィンテージの美学”とも言うべき衣装&装飾が見どころとなっている。

ファンタジーながら当時の社会情勢も浮き彫りにしている『シルバー・スケート』
ファンタジーながら当時の社会情勢も浮き彫りにしている『シルバー・スケート』写真:EVERETT/アフロ

恋にキスに(パニックも!)と様々な登場人物たちの人生が交差するカウントダウンパーティ。まさに映画にうってつけの舞台として、これからも作品に華やぎを与えてくれるに違いない。

文/足立美由紀

関連作品