友情に恋愛、ヒーローとしての在り方…青春ドラマとして見ても「スパイダーマン」はグッとくる!
ミステリオがばらまいたデマ動画に翻弄され、周囲の人たちにも迷惑が…
そして最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、冒頭からピーターは激闘の末に倒したミステリオの置き土産に苦悩している。ミステリオは死ぬ直前、スパイダーマンの正体がピーターであることを世間にバラし、ピーターが欧州で起きた事件とミステリオ殺害の黒幕だとするデマ動画をネットに拡散させていた。これによって、ニューヨークはもとより世界中の人々が、ピーターや彼の周辺の人たちに注目するようになってしまう。デマの拡散は想像以上に早く強烈で、ミステリオを礼賛する者も続出する。
大学受験を控えたピーターとしての人生がメチャクチャになるばかりか、MJとネッドにまで迷惑をかけてしまう。そこでピーターが頼るのがドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)だ。『エンドゲーム』でピーターの師であるトニー・スタークの死に責任を感じていたストレンジは、ピーターの願いを叶えるべく、禁断の呪文を使って、世界中の人々から“スパイダーマンの正体がピーター”という記憶を消し去ろうとする。
後先考えない行動の結果、今回も新たなトラブルが発生…
ピーターが起こした騒ぎが親友と恋人にまで影響することになり、スーパーヒーローの活動で得た伝手とパワーを借りてなんとか危機回避しようとする。このいかにも子どもらしい考え方がゆえに、大きな責任を伴う事件が起きてしまう。おそらくコミック版やサム・ライミ監督版からのシリーズファンにとっては、このくだりこそ胸アツではないだろうか。前2作と「アベンジャーズ」シリーズを経て少しずつ成長してきたピーターだが、それでもまだ10代の子どもなのだ。それゆえに、ちょっと立ち止まって考えれば犯さないような失敗をしてしまう。
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様々な困難を乗り越え、絆を深めてきたピーターとMJ、ネッドの関係性
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