声優・悠木碧の“スパイダーマン愛”が炸裂「『ノー・ウェイ・ホーム』はエモいことしか詰め込まれていない!」
「ピーターを見て、自分の発言や行動がどんな影響を及ぼすのかを考えさせられました」
悠木ならではの視点でシリーズの魅力が語られるなか、話題は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』へ。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)の続きとなる本作は、宿敵ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)の罠により、スパイダーマンがミステリオ殺害の容疑をかけられ、さらには正体もバレてしまうところから物語が始まる。
MCUシリーズでは、スーパーヒーローとヴィランとの“戦い”だけでなく、スーパーヒーローの活動に制限を設ける是非を巡る社会批判との“闘い”も描かれてきた。本作でも同様に、ミステリオの策略でピーターは誹謗中傷と闘うことになる。
「ミステリオが嘘をついているだけで、ピーターはなにも悪いことをしていない。私なら、『なにも悪いことはしていないのに!』と世間やミステリオを責めそうだけど、ピーターは決して責めなかった。それは、過去の『スパイダーマン』シリーズでも教訓として示されてきた“大いなる力には大いなる責任が伴う”という教えと、ピーター自身の優しさから来るもの。それこそがスパイダーマンが“親愛なる隣人”であり“ヒーロー”である所以なんだとすごく思いました。そんなピーターの受け入れ方を見ていて、自分の発言や行動で誰を傷つけ、誰を救えるのか、どんな影響を及ぼすのかを考えさせられました」。
これまで“甥”であるピーターの成長を見守ってきたからこそ、本作では「終始涙が止まらなかった」という。「ピーターには好きな物をいっぱい食べて、友だちと笑い合って幸福な学生生活を送ってほしい気持ちがあります。だけど、ヒーローとしての責務がそれを許さないんですよね。だからせめて、温かいお布団でいっぱい眠ってほしい!と思いました」。
「観客のみなさんはどう思いますか?と語りかけてくるようなお話」
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の見どころについて聞いてみると、「見どころしかないけど…」と前置きしたうえで「スパイダーマンとドクター・ストレンジの共演」と口にした。『エンドゲーム』以来の共演となったストレンジとスパイダーマン。ファンとしてストレンジの活躍を喜ぶと同時に、アイアンマンを失った者同士の関係性に「注目せざるを得なかった」と悠木は話す。
「大人と子ども、魔術と科学、割り切る正義と見捨てない正義。ストレンジとピーターは相反する部分がすごく多いんですよね」と語るとおり、本作では互いの意見がぶつかりあう姿も描かれている、ストレンジとスパイダーマン。「それぞれの信念について観客のみなさんはどう思いますか?と語りかけてくるようなお話だったと思います。私はもう大人だからピーターの目線で世界を見ることができなくて…。ストレンジの目線で見ていましたが、ピーターがとってもまぶしく感じました。と同時に、大人だからこそストレンジの葛藤には、めちゃくちゃキツイ…と共感してしまいます」。
一方で、悠木いわくストレンジとピーターは、「彼らが共闘すれば無敵」なのだそうだ。「ないものを補い合える関係性だからこそ、タッグを組んだら最強ですよね。なにより2人の戦闘スタイルは相性がよすぎる!ストレンジが至るところに障害物を出して、それをスパイダーマンがスイングで避けていくシーンはめちゃくちゃカッコよかった。ストレンジはスパイダーマンに足場を出してあげられるし、2人とも頭がいいから頭脳で敵を翻弄できる。ただでさえストレンジは1人でなんでもできちゃう魔術師なのに、彼らがタッグを組むと、よりとんでもないバトルができるなと思いました」。