伊藤英明、キャリアを積み重ねてやってきた『KAPPEI カッペイ』のオファーに「ものすごく“これじゃないよ感”」とぶっちゃけ
若杉公徳の伝説的ギャグ漫画を伊藤英明主演で実写映画化する『KAPPEI カッペイ』(3月18日公開)の最強最速プレミア“カッペイ”披露試写会が2月16日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、伊藤英明、西畑大吾(なにわ男子)、大貫勇輔、古田新太、山本耕史、小澤征悦、平野隆監督が登壇。デニムの袖なしジャケット&ホットパンツという出立ちで“最強の戦士”勝平役を演じた伊藤が、「キャリアを積み重ねてきて、平野さんから『満を持して伊藤英明にやってもらいたい役がある』というお話をいただいた」とオファーの瞬間を振り返り、「ものすごく“これじゃないよ感”がした」と率直な想いを打ち明けて周囲の笑いを誘った。
ノストラダムスの大予言を信じて厳しい修行を続けてきたものの世界滅亡の時は訪れず、活躍の場を与えられなかった戦士たちが、現代の東京で知る遅すぎた青春を描く本作。レッド“カッペイ”トセレモニーでは、メンバーが劇場入り口前に敷かれたカーペットを笑顔で闊歩。会場にはキャラクターのパネルが設置されていたが、そのビジュアルからギャグ感満載の映画だ。伊藤は「いいんですか?こんな映画のためにたくさん集まっていただいて。ほかにやることがあったんじゃないですか?」と茶目っ気たっぷりに取材陣に語りかけていた。
オファーの瞬間を述懐することになると、伊藤は「デビューしてから『クロスファイア』や『陰陽師』などもあり、平野さんと最後にやったのは15年ほど前の『この胸いっぱいの愛を』という作品」と平野監督との縁を語りつつ、「『伊藤英明にやってもらいたい役がある』というお話をいただいた。平野さんと作品をやるのは15年ぶりだし、(年齢も)40代中盤に差し掛かり、アクション満載のスパイ映画なのか、賞レースにも参加するような時代劇なのかという期待があった。いざビジュアルを見せられた時に、作品を否定しているわけではなく、“これじゃないよ感”がした」とぶっちゃけ。
衣装合わせをしているうちに、伊藤自身も熱を帯びながらアイデア出しをするようになったというが、「決まった衣装を見て、ものすごくガッカリして。いまさら降りられないしどうしようかなと思っていた。山本耕史くんに『よくこの作品を受けたね』と聞いたところ、山本くんから『自信を持って楽しんでやります』という心強い言葉を聞いて、腹を括ろうとした。でもこの格好でロケとかもあるの?渋谷の街中も出るのって。なんとか降りられないかなと思った」と素直な想いが次々と語られ、観客も笑いを堪えるのに必死な状態。「同世代の俳優がキャリアを積み重ねたうえで、こういった作品をつくれたことに感謝します。老若男女に楽しんでもらえる映画」と共演者たちにも感謝して、会場の拍手を浴びていた。
伊藤から「この撮影の時はまだデビューしていませんでしたが、大ちゃんも『なにわ男子』としてデビューしましたから」と紹介されたのが西畑。「心の底から笑えて、終わった後に『あの笑いはなんやったんやろう』という不思議な感覚に襲われる映画。めちゃめちゃおもしろいので、笑って免疫力を上げていきましょう」と元気いっぱいにアピール。「関西人ということもあり、お笑いが好き。いつかそういった作品に出演したいなと思っていた。皆さんが本気でバカをされている。気持ちよくツッコミを入れることができた。本当に素敵な体験をさせていただいた」と貴重な経験になったことを明かしていた。
ビシッとタキシードを着こなして登場した西畑だが、撮影中はぶっ飛んだ扮装をしていた先輩たちの姿を見ていたために、「皆さんがタキシードを着られていて、ちょっと違和感なんです。すごくかっこよく見えて、そのギャップにやられているところです」とにっこり。最後の挨拶では伊藤が「映画を観に行きたくなるように、口コミでもSNSでも上げていただけたら」と働きかけつつ、「最後に、西畑くんからメッセージを」とムチャブリ。さらに伊藤は「結婚後、初の映画だから意気込みとか?」と結婚発表後初の公のばとなった大貫にもムチャブリを重ね、大貫は「ぶっ込んできますね!」と驚きながら、「このたび結婚させていただきまして、子どもも生まれまして。父としても俳優としても頑張らねばと思っています」と宣言していた。
取材・文/成田おり枝