『HOMESTAY』はただの青春映画ではない!?映画ファンが語る、どの世代にも観てほしいポイントとは
森絵都の小説「カラフル」を原作に、あることが原因で命を落とした高校生の体に乗り移った魂が、彼の死の原因を探る物語を描く感動ミステリー『HOMESTAY』(Amazon Prime Videoにて世界独占配信中)。Amazonが製作する初の邦画作品で、なにわ男子の長尾謙杜が映画初主演。また、『ミスミソウ』(18)や『ひらいて』(21)の山田杏奈、ドラマ「僕たちがやりました」や「チア☆ダン」の八木莉可子が共演し、『ジオラマボーイ・パノラマガール』(20)の瀬田なつきが監督を務めた。
魂の「シロ」(長尾)は、「管理人」と名乗る謎の人物から、亡くなったばかりの高校生、小林真の体を借りて「ホームステイ」生活をするように告げられる。同時に、真が死んだ原因を100日以内に見つけられない場合、もしくは真の家族や友人に真の中身が「シロ」だとバレてしまったら、本当の死が訪れると宣告される。状況を飲み込めないまま始まったホームステイ生活で、真の家族や、幼なじみの晶(山田)、憧れていた先輩の美月(八木)と関わるなかで、シロは徐々に真の死の真相に近づいていく。
キャスト陣の制服姿もまぶしい本作は、ティーン向けの映画と思いきや、大人にも刺さるポイントあり!ということで、映画関連会社勤務の浦山(20代女性)、MOVIE WALKER PRESS編集スタッフの佐藤(20代女性)、ライターの田中(40代女性)の3人で座談会を実施。大人目線での本作の楽しみ方や見どころについて語った。
キラキラだけの青春映画じゃない!大人にも刺さったポイント
田中「お2人は原作『カラフル』は読んでいますか?森絵都さんは2006年に『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞をはじめ、数々の文学賞を受賞しています。『カラフル』も第46回産経児童出版文化賞受賞作で、学校の図書室にも置いてある人気小説です」
佐藤「私は『HOMESTAY』で初めて本作に触れました。原作も、過去に映画化されていたアニメ版も知らないので、先入観も情報もないまま観たのですが、予想していたものとは違う印象を受けました。なにわ男子の長尾さんが主演で、共演は山田さん、八木さんと聞いたら、キラキラな青春映画だと思うじゃないですか(笑)。もちろん、キラキラなところもあるけれど、家族だからこそのややこしさや、真の友人関係、恋愛関係が絡んできて、全員がギクシャクしている感じがすごくおもしろくて。青春ドラマかと思いきやヒューマンドラマという印象ですごく楽しめました。生きることの尊さより難しさが前面に出ていて、確かに主人公は若いけれど、大人にも刺さる感じがしました」
浦山「私も映画で初めてストーリーを知りました。瀬田監督で若い子が主役だから大人が観ても大丈夫かな?とも思いましたが、想像していたティーンムービーのイメージとはまったく違い、楽しめました。どの世代が観ても楽しめると思います」
田中「私は原作も読んだし、アニメ映画も観ています。原作との違いに注目しながら、2022年版『カラフル』を楽しみましたが、原作を知っていても知らなくても入りやすい作品だと思いました。大人が観てもグッとくると感じた点はどこですか?」
浦山「美月先輩が、同級生に真との関係を疑われてとっさに嘘をついちゃうシーンとか、『わかる!』って思いました。大人になってもつい本心と違うことってやってしまいがちじゃないですか。大人になっても変わらないことって意外とあるよなと、しみじみしちゃいました」
佐藤「恋愛関係も家族関係も“青春系あるある”がいっぱい。しかも、思春期ならではの思い込みもあったりして、徐々に真が抱いていた違和感や悲しさに気づいていく過程になんか胸がざわざわして、感情が『わー』とかき乱されている自分がいました」
児童文学でありながら、緻密なサスペンスが展開
田中「終盤のどんでん返しも原作の魅力といわれています。原作にもアニメにも触れてないお2人はいかがでしたか?」
佐藤「ヒントは割とあるので、中盤くらいで気づきました」
浦山「私は結構序盤で『あ!』っと気づいた瞬間もあって。でも『やっぱり違うかな?』とも思ったりして、いい意味で翻弄されて、最後までかなり楽しんだと思います(笑)」
田中「真の死の真相を探っていくサスペンス感を味わいながら、若いころの視点を思い出すような作品ですよね。児童文学でありながら、視点が変わった大人にも刺さるようにできているのは、やっぱり原作のすばらしさかなと思いました」
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