“ファンタジー映画”の楽しい要素全部乗せ!映画ファンにこそプレイしてほしい「エルデンリング」を徹底解説
大ヒット発売中のフロム・ソフトウェアのアクションRPGゲーム「エルデンリング」。世界出荷本数が1200万本を突破するなど話題を集めている。開発元であるフロム・ソフトウェアといえば、今作のベースになっている「ダークソウル」シリーズなど、様々なアクションRPGゲームなどを出しているが、その高難易度からついたあだ名が“死にゲー”である。近年ではユーザーフレンドリーな、操作方法を1から手取り足取り教えてくれるような親切なものが多かったが、フロム・ソフトウェアの一連のゲームはその真逆を行き、相手が確実にこちらを殺しにくる、手ごたえのある難易度だ。
しかし、ただ難しいだけでなく、「もうちょっとで勝てるのに!」というチャレンジ精神をくすぐるのがとても巧みで、何度もプレイしたくなる。相手の動きのパターンを見極め、弱点や隙を見切って相手にダメージを与える。このスリルと爽快感はゲームが本来持っていた、攻略していくワクワクドキドキを思いださせてくれた。本記事では、ゲーマー心のみならず映像ファン心もくすぐる「エルデンリング」を解説していく。
超高難易度ながらゲーマー心をくすぐる「エルデンリング」
今作が「ダークソウル」から大きく変更された点としては、広大な世界を地続きにしたオープンフィールドというシステムになったことだ。どこから遊んでもいい、世界の楽しみ方はプレイヤーに任されていて、いままで以上に自由度が増した感がある。主人公は、大剣を抱えた戦士や魔術師のような様々な素性から選ぶことが可能であり、プレイヤーが駆け巡る世界は春夏秋冬、様々な気候が存在する。地形も火山や湿地帯など多様であるので、風景を見ながらうろうろしているだけでも楽しめる。
そして今作最大の目玉はオンライン機能で、他プレイヤーの世界に行くことで、助太刀して強敵を一緒に倒すことができる。またプレイヤー同士で対戦するために、ほかの世界に侵入することも可能である。また今作では、そこら中にほかのプレイヤーの残したメッセージが、ネット上の書き込みのように地面や床に残されており、ボスやステージの攻略情報がメッセージとして書かれている。なかには嘘の情報も混じっていて、書かれたメッセージに評価があるなど、ゲーム世界内に口コミサイトが存在するような感じだ。一人でプレイしていても、ほかのプレイヤーの世界とつながっている感覚を持てるのだ。
巨大な世界樹がそびえ立つ異世界、空に浮かぶ崩れかけた塔、カスパー・ダヴィッド・フリードリヒなどの廃墟絵画、ヒエロニムス・ボッシュの地獄を描いた絵画に登場するようなモンスターなど、とにかく大スケール大ボリュームで一つの世界を見事に作り上げている。ゲームだけにとどまらない総合芸術的なコンテンツに仕上がっており、これからのRPG、ファンタジー、またオープンワールドゲームを変える、転換点的な作品であることは間違いない。そんな大作である。