アニメ「クレヨンしんちゃん」30周年座談会!声優陣が語る、愛され続ける野原一家の魅力
「どの家庭でも思い当たることがあるからリアル」(ならはし)
――「クレヨンしんちゃん」が30年にわたり愛されてきた理由をどのように感じていますか。
小林「30年ってすごく歴史は長いのに、全然古さを感じない。毎年なにかしらアップデートして時代に合わせているのはすごいと思います。旬な笑いが常に取り入れられていて、そういう部分が子どもたちに刺さる理由だと感じています。絆、親子愛、友情などは30年変わらない。私でもついていけなくなるくらい新しいネタが入っている一方で、懐かしい描写もあります。新しさと懐かしさがバランスよく入っている、特に『もののけニンジャ珍風伝』ではその魅力を強く感じました」
ならはし「大変すばらしい答え!」
小林「なんか、ファンとして語っちゃいました(笑)」
ならはし「私が思う魅力は、普通の家庭だということ。いまの世の中の普通は分からないけれど、少なくとも平成だったらわりと平均的な家庭ですよね。ウチと同じ、ウチの子もそう、とどの家庭でも思い当たることがあるからリアルだし、共感してもらえる気がしています」
森川「家族愛ですね。5歳児は自我が目覚めていろいろなものがしっかり、キレイに目に入ってくる年齢。親からすると子どもが5歳の頃の思い出って一生クリアに残るし、子どもも大人になってから、小さい頃、親の手を握って顔を見上げて…みたいな記憶を鮮明に覚えていると思うんです。そういう一番いい時をずっと見せてもらえる、それが愛される理由だと感じています」
こおろぎ「携帯電話からスマホへ、といった時代の移り変わりも描かれているし、SNSの流行も作品内で、皆さんと同じ時期に経験しました。一方で、親子の愛情、友達との友情はずっと変わらず同じものが根底にあって。変わらないものとアップデートされていくものが共存しているのが『クレヨンしんちゃん』です。でも私たちの生活って、まさにそうだからこそ、一緒だ、身近だと感じられ、愛されている気がしています」
真柴「これだけ長くやっていると、最初の頃は“ウチの子どもが…”という話を友達から聞いていました。その子どもたちが『クレヨンしんちゃん』を卒業して、しばらくすると今度は“ウチの孫が…”に変わっていきました。結局、どの世代になってもおもしろく観られる、時代が変わってもどの目線でも楽しめるのが魅力なのだと思います」