「ワンダヴィジョン」に「ホワット、イフ…?」も。合わせて観たい『ドクター・ストレンジMoM』関連作まとめ
ワンダに起きた出来事をたどる「ワンダヴィジョン」
サノス(ジョシュ・ブローリン)とのインフィニティ・ストーンを巡る戦いのその後を描いた作品のなかで、『ドクター・ストレンジMoM』に直接大きな影響がある作品と言えば、MCU初のドラマシリーズとしてDisney+で配信された「ワンダヴィジョン」だ。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)にて、愛するヴィジョン(ポール・ベタニー)を失ったワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)でその怒りをぶつけるようにサノスと対峙した彼女だったが、「ワンダヴィジョン」ではなぜか、1950年代を思わせる郊外の一軒家に、死んだはずのヴィジョンと幸せな家庭を築いていた。ちょっと世話焼きの隣人やヴィジョンが勤める会社の上司、婦人会の知り合いとのやり取りなどの近所付き合いをするなかで、ヴィジョンは自分が住む世界がどこかおかしいことに気付き始める。実はその町は、ワンダの力によって生みだされた理想的でありながら、隔絶された世界だったのだ。
大きな陰謀と対峙しながら、ワンダは自身が生みだした理想と現実を行き来するなかで、自分のなかに眠る魔女の力に目覚め、物語のラストではカオスマジックを操る“スカーレット・ウィッチ”として覚醒する。
『ドクター・ストレンジMoM』において、マルチバースの存在を知ったドクター・ストレンジは、大きな力を得たワンダに協力を求めることで、物語が動きだすことになる。本作はある意味で「ワンダヴィジョン」の直接の続編と捉えることができる。もちろん、この作品を観ずともワンダの能力や彼女の苦悩は理解することができるが、作品をより深く理解するには、やはり観ておきたい作品になっている。
マルチバースの可能性と危険に迫る「ロキ」&「ホワット、イフ…?」
マルチバースを題材とした作品は、Disney+ですでに2作品が発表されている。一つは、アベンジャーズの中核メンバー、ソー(クリス・ヘムズワース)の義弟であるロキ(トム・ヒドルストン)を主人公に据えた「ロキ」。
『~エンドゲーム』の劇中にて、四次元キューブを手に入れて時空を超えたロキは、時空を歪めたという罪で“世界の時間”を監視する組織TVAに拘束される。ここでロキはTVAのエージェントと共に時空を超えて、自分が改編した時間を修復する任務を受けることに。しかし、任務を続けるなかで、TVAに隠された事実を目の当たりにしたロキは、時間軸がいくつも枝分かれするマルチバースを生みだすきっかけを作ってしまう。
本来であれば一つの時間の流れしか存在しなかった“世界の時間”は様々な事象の“もしも?”によって、枝のように分岐し、いくつもの時間軸が異なる宇宙が生まれてしまう。そして、そのように広がったいくつものマルチバースの世界を描いたのが「ホワット、イフ…?」という作品だ。
MCU初のアニメーション作品として作られた「ホワット、イフ…?」は、世界を監視するザ・ウォッチャー(声:ジェフリー・ライト)が、分岐して生まれた様々な世界の様子を見るというオムニバス作品となっている。スティーブ・ロジャースがキャプテン・アメリカにならなかった世界、ヒーローたちがゾンビになってしまう世界など、いくつもの“ホワット・イフ…?=もしも?”の世界が描かれるこの作品の第4話では、ドクター・ストレンジが正しい道を踏み外し、己の欲求を満たすために魔術を使って闇落ちしてしまう。
『ドクター・ストレンジMoM』の予告では、この闇落ちしたストレンジにそっくりの人物が姿を見せている。別次元のストレンジ同士の出会いにどのようなドラマがあるのかは、劇場にて自身の目で確認してほしい。そのほかにも『ドクター・ストレンジMoM』は、「ホワット、イフ…?」を観ていればこそ楽しめるイースターエッグがいくつかあるので、ぜひチェックしておきたい。