【連載】「MINAMOの話をきいてミナモ?」 第3回 私の元気の出し方
いま人気急上昇中のAV女優、MINAMOが愛する映画や本、音楽、さらには自身の様々なことを語る連載「MINAMOの話をきいてミナモ?」。第3回は落ち込んだ時に気分をあげる方法について語っていただきました。
元気が出ない時は「吸い取られたエネルギーを取り返さなきゃ」という身体からのサイン
五月病という言葉があるように、5月は気を病む人が多いらしい。気圧だったりずっと降り続く雨だったりで、そりゃどんよりもする訳だ。
かく言う私も昔の日記をさかのぼってみると、5月は特に"人生辞めたいわ"と書いてあった。その時はシリアスな何かがあったのだろう、だがもう時が過ぎた今では記憶にはない。そんなもんだと思う。
元気の出し方など、人それぞれで絶対的な答えはないのだろうけれど、一つ言えるのは気分を上げるまで時間がかかるということである。本当に疲れている時は気分を上げようとも思えないのだ。だが今の世の中無理やりにでも気分を上げなきゃいけない人もたくさんいるのだと大人になるにつれ、私は知ることになる。人間は生きているだけで自分の知らぬうちに何かに、何者かにエネルギーを吸い取られているのだ。なぜか元気が出ない時は「普段どこかで吸い取られたエネルギーを取り返さなきゃ」と身体がサインを出している証拠だと私は思っている。今回は病みレベルに合わせて私の元気の出し方をご紹介したいと思う。
毎コマごとに心が軽くなってゆく「るきさん」
なんか疲れてしまった、そんな時は私の大好きな漫画、「るきさん」の出番である。この漫画はバブル時代を背景に、主人公"るきさん"の日常が描かれているだけなのだが、それだけといってしまうには勿体無い作品である。るきさんは自宅で医療事務の仕事をしている独身女性。独りだが、孤独ではない。月に1週間ガッと1ヶ月分の仕事を終わらせ、後は自分の趣味や今で言う「おうち時間」を楽しむ、という生活を送る。配色も綺麗で、作中に出てくる昭和っぽい小物も街の景色もとても可愛い。のんびりと和やかな漫画である。
そんなるきさんの平凡だが節々にユーモラスな日常を見ているだけなのに、毎コマごとに心が軽くなってゆくのが分かる。作品に出てくる親友のOL"えっちゃん"は、るきさんとは正反対の女性でその2人の掛け合いもまた和やかでいい。ちなみに私の大好きなページは、るきさんがお風呂で入浴中、"お風呂に住むとどうなるのだろう"と妄想するシーンだ。
漫画「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」などもたまに読み返しては温かい気持ちになる。四季に習い、年中行事なので同じことの繰り返しではある。家族でご飯を囲み、大きな事件こそないので退屈に思う人もいるかもしれない、だが同じことが巡ってくるというのは大いに幸せなことではないか。「ちびまる子ちゃん」は出てくるキャラクターが奇人過ぎる。なおかつ小ボケ(古ボケ)もメチャクチャに面白いしツッコミはトガりすぎている。そんな幸せで、ピースフルな毎日に触れることで心が穏やかになる。
京都府出身。2021年6月にSOFT ON DEMANDよりAV女優としてデビュー。趣味は映画&レコード鑑賞、読書。
YouTubeにて「MINAMOジャンクション」を配信中。
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