“バズ”のことちゃんと知ってる? 『バズ・ライトイヤー』公開前に抑えておきたいアレコレ
最初は相容れなかったウッディとの出会い
これまでのシリーズでは、カウボーイ人形のウッディの頼れる相棒として知られているバズ。白い宇宙服に身を包む“スペース・レンジャー”の彼は、開閉式のヘルメットがクールな最新おもちゃで、決め台詞はもちろん「無限の彼方へ、さぁ行くぞ!」。ジェット機のような羽を広げ、空手チョップまで繰りだすパワフルな男だ。おもちゃのバズもオリジナルのバズと同じ、たくましい顎がチャームポイント!
第1作『トイ・ストーリー』(95)でバズは、ウッディの相棒ではなくライバルとして登場している。ある日、少年アンディは新しい誕生日プレゼントとして、子どもたちに大流行中の“スペース・レンジャー人形”のバズをもらう。それまでアンディの一番のお気に入りだったウッディは、たちまちその地位をバズに奪われてしまう。しかも、バズはパッケージから出た途端「自分はコールドスリープから目覚めたスペース・レンジャーで、宿敵ザークを倒すのが使命」と語り、とんちんかんな言動を繰り返す。腕の通信機に向かって恒星日誌を記録したり、敵とみなした相手にはレーザービーム(ライトが光るだけなので実際には攻撃にならない)を放ったり…。おもちゃになっても、強すぎる責任感と無鉄砲な性格はオリジナルのバズと変わらないのがなんともおかしい。
ひょんなことから子ども部屋を飛び出してしまったバズとウッディは、宇宙船風のピザ店「ピザ・プラネット」や“おもちゃ殺し”の異名を持つ少年シドの家で、幾多のピンチに見舞われながら少しずつ友情を深めていく。ウッディと協力しながらシド宅からの脱出を目指すなか、テレビで“バズ・ライトイヤー人形”のCMを目撃したバズは、「自分がおもちゃである」とついに知ってしまう…。CMで流れるバズ・ライトイヤー人形の特徴と、自分の装備を照らし合わせ、自分がおもちゃであることを自覚していくバズの表情がせつない。いつでも真面目だった彼が一転し、まともに話ができないほど笑い上戸になったり、お茶会ごっこで酔っ払ったりと自暴自棄になってしまうパプニングも。しかし、ウッディの助けを借りて正気を取り戻したバズが、力を合わせてアンディのもとへ帰還するラストは胸に迫るものがある。
いつしか2人は頼れる永遠の相棒に
自分がおもちゃだと自覚したバズは、ウッディに厚い信頼を寄せ、2人の友情は深まっていく。『トイ・ストーリー2』(99)では、大儲けを企む男によって盗まれたウッディを助けるため、おもちゃ量販店で出会った新品のバズ・ライトイヤー人形や、宿敵ザークと対決!また『トイ・ストーリー3』(10)では、保育園を牛耳るピンクのくまのぬいぐるみ、ロッツォに無理やりリセットボタンを押され、“スペース・レンジャー”に逆戻りしてしまったり、スペイン語モードになって情熱的(?)な性格に変わってしまったり。さらに、カウガール人形のジェシーへの恋心も芽生えるなど、シリーズを通じて、バズは様々な一面を見せてくれた。
魅力が詰まった愛されキャラ
『バズ・ライトイヤー』でバズを演じた鈴木亮平は「バズは一見、完璧でかっこいいスペース・レンジャーに見えます。本人もそうありたいともがいていますが、実は失敗もたくさんして、人を育てるのが苦手なタイプ。一方で、とても愛情深く素直な人」と解説している。本家のバズも、ちょっと不器用だけど心優しいおもちゃのバズと同じ、愛すべきキャラクターのようだ。
バズ・ライトイヤーの決め台詞の由来は?宿敵ザークとの戦いは?ファンのワクワク感をくすぐる最新作を、「トイ・ストーリー」シリーズを復習して心待ちにしよう!
文/水越小夜子