セクシーな二枚目ぶりと抜群のコメディセンス…独自の道をゆくチャニング・テイタムが築き上げた“おバカイケメン像”
『ザ・ロストシティ』でもその魅力が大爆発!
自分を客観的に見つめ、そのイメージを生かしたり裏切ったりしながら独自の路線を貫いてきたテイタム。そんな彼が一つの結晶ともいうべき姿を見せているのが、サンドラ・ブロックと共演したラブコメディ『ザ・ロストシティ』だ。
冒険ロマンス小説家の主人公ロレッタ(サンドラ・ブロック)は、新作の宣伝ツアー中、その小説の中身から彼女が古代都市の場所を知っていると確信した謎の大富豪フェアファックス(ダニエル・ラドクリフ)により、南の島へと連れ去られてしまう。本のカバーモデルを務めるアレンは、そんな窮地の彼女を救出するため島へと向かうが…。
テイタムが演じるアレンは、ハンサムなルックスと肉体で読者たちをメロメロにする色男。宣伝ツアーのトークショーでも、カバーモデルにもかかわらず作者のロレッタを差し置いて質問に答えるなど、アッパーで図々しさもあるタイプだ。そんなイケイケ男を持ち前の肉体美をこれでもかと見せつけながら演じているテイタム。ジャングルを冒険中、身体中をヒルに吸われてしまった際には、お尻まで露わにするなどサービス精神旺盛だ。
救出作戦に大荷物で向かうようなアホな男だが、必死にロレッタを助けようとする純粋な心も持つアレン。戦闘力ゼロにもかかわらず、百戦錬磨の男ジャック(ブラッド・ピット)にちょこんと付いてくる頼りない姿は爆笑もの。加えて、頭空っぽに見えるイケメンゆえの苦悩も表現しており、どこか愛おしさも覚えてしまうキャラクターを、好感度抜群にスクリーンに浮かび上がらせている。
二枚目イメージとユーモアという持ち味を組み合わせた、セルフイメージをパロったような役どころで、その魅力を存分に発揮しているテイタム。初の監督作や自分が手掛けた絵本の映画化にも乗りだすなど、今後のさらなる進化にも注目したい。
文/サンクレイオ翼