アナキンとの師弟愛に、エピソード4へとつながるリンクも…最終回を迎えた「オビ=ワン・ケノービ」を3人の編集長が総括!
ディズニープラスで独占配信中の「オビ=ワン・ケノービ」。伝説のジェダイ・マスター、オビ=ワン・ケノービの知られざる物語を映像化したドラマシリーズで、その最終話となる6話がついに配信され、「スター・ウォーズ」ファンの間では様々な感想が飛び交っている。MOVIE WALKER PRESSでは、本作を映画メディアの編集長たちによるリレーレビュー連載で追ってきた。最終回となる今回は、「月刊シネコンウォーカー」編集長の佐藤英樹、「DVD&動画配信でーた」編集長の西川亮、「MOVIE WALKER PRESS」編集長の下田桃子が作品を同時視聴。観終えたばかりの3人が、最終話の感想からシリーズを通しての総括、お気に入りのキャラクターなど率直な思いを語り合った。
全6話で構成された本作の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05)から10年後、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)の9年前。「スター・ウォーズ」シリーズのドラマ作品では初めてジェダイを主人公に据え、ユアン・マクレガーとヘイデン・クリステンセンが17年ぶりにオビ=ワン役とダース・ベイダー役として共演し、注目を集めた。
ダース・シディアス(イアン・マクダーミド)の暗躍によって銀河共和国は銀河帝国として再編成され、ジェダイも反乱分子として壊滅してしまう。愛弟子アナキンを失ったオビ=ワンは、砂漠の惑星タトゥイーンへ隠居し、アナキンの息子ルーク(グラント・フィーリー)を陰ながら見守っていた。そんな時、惑星オルデランの盟主ベイル・オーガナ(ジミー・スミッツ)に引き取られたルークの双子の妹、レイア(ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)が誘拐されたとの知らせが入る。レイアを救いだすため、銀河へと飛び立つオビ=ワンだったが、それはダース・ベイダーとして人々を恐怖に陥れる存在となった、かつての弟子との対峙を意味しているのだった…。
6話では、オビ=ワンとダース・ベイダーとの宿命の対決が繰り広げられる。帝国に反抗する人々と共に惑星ジャビームを脱出したオビ=ワンだったが、執拗な追手を自身に引き付けるため小型船に乗って1人で離脱。降り立った惑星でベイダーを迎え撃つことに。一方、オビ=ワン拿捕に執念を燃やしていた尋問官のサード・シスターことリーヴァ(モーゼス・イングラム)が、かつて“オーダー66”を生き残ったジェダイ候補生だったことが発覚。仲間を殺された復讐を果たすため、ベイダーを暗殺しようとするが、逆にライトセーバーで体を貫かれてしまう。重症を負いつつもなんとか生き延びた彼女は、ルークの存在を知ってタトゥイーンへと向かっていた。
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「ベイダーとアナキンの声が、重なって聞こえるところにグッときました」(下田)
西川亮(以下、西川)「最終話を観た人の多くはまず、『サード・シスター、生きとったんかい!』とツッコミを入れたくなったはず。わりと軽症で済んでいたんだなと思いました(笑)。モーゼス・イングラムの善と悪の間で揺れる感じとか、すごくよかったですよね。めちゃくちゃ活躍していたけれど、もっと出番があってもよかったなという欲も出ちゃうくらい、目立つキャラクターでした」
下田桃子(以下、下田)「オビ=ワンとダース・ベイダーの戦いは盛り上がりましたね。かつての力を取り戻したオビ=ワンが、ライトセーバーを構える“ソレス”も見れたし!フォースでいくつも岩石をベイダーにぶつける姿に、『これはなんぞや?』という感じでしたが(笑)。でも、ベイダーの素顔が見たくて『マスクを割れ!割れ!』と思っていたら、本当にライトセーバーで割られてしまった展開はよかったです。割れ目から見える表情や、マスク越しのベイダーの機械的な音声とアナキンの生の声が、重なって聞こえるところにグッときました」
佐藤英樹(以下、佐藤)「ファン的には二重奏みたいな感じで、胸アツなのかな」
下田「(オビ=ワンの)青いライトセーバーと(ベイダーの)赤いライトセーバーから発せられる光が、両者の顔を照らす演出も印象的でした。ベイダーの顔が時折青く光るのは、アナキンの心が残っている暗示なのでしょうか?」
佐藤「ニヤッと笑った時は、全然反省してないじゃん!って思ったけど(笑)」
下田「エピソード4で、ダース・ベイダーがオビ=ワンに対して『Your powers are weak, old man(力が衰えたな)』という言葉を投げかけるので、どこかで圧倒的に強いオビ=ワンを描く必要はあったと思います。だからこそ、この戦いを描く意味があると感じました」
佐藤「辻褄合わせをしっかりやっているんだね」
西川「3話で、ベイダーにまったく歯が立たない姿を見たあとなので、オビ=ワンが急に強くなりすぎな感はあるけれど(笑)。でも、エピソード4との辻褄が合っているのか、合っていないのか。そして自分の記憶と合っているのかも含めて、改めて映画を観て答え合わせをするのも楽しい気がします。オビ=ワンはルークやレイアとここまで面識があったんだっけ?とか」
佐藤「たしかに。ルークやレイアにとっては幼いころの思い出なので、(エピソード4時点では)オビ=ワンとの記憶は残っていないのかな?と自己完結していたんだけど、改めて観返してみれば、新たな発見もあるかもしれない」