コラム 2022/6/24 20:00

アナキンとの師弟愛に、エピソード4へとつながるリンクも…最終回を迎えた「オビ＝ワン・ケノービ」を3人の編集長が総括！

「オビ＝ワンとダース・ベイダー、2人の物語を軸とした、太い筋をしっかりと見せてくれた」(佐藤)

パダワン時代のアナキンとオビ＝ワンの修行の回想シーンが5話で話題に！(「オビ＝ワン・ケノービ」)[c]2022 Lucasfilm Ltd.

下田「シリーズを通して、誰が活躍して誰が死んじゃうのかが、まったく予測できなくてドキドキしました。5話のターラの死は悲しかったです」

西川「そんなターラのホルスターを拾っていた、ローケン。オビ＝ワンからリーダーになれ、と諭された彼が、次のドラマシリーズ『キャシアン・アンドー』に登場する、なんてことも期待しちゃいますね。あと、クメイル・ナンジアニが演じていた、ハジャ・エストリー、もっと活躍してほしかった」

佐藤「そうだよね。個人的には、サン・カン演じる尋問官のフィフス・ブラザーがお気に入りだったよ」

西川「フィフス・ブラザーが好きな理由はなんですか？」

佐藤「木枯らし紋次郎のようなビジュアルだから(笑)。『座頭市』みたいな新たなライトセーバーの妙技を見せてくれるのかと期待していたんだけど、一度もライトセーバーを抜かなかったような…」

見た目もキャラも個性豊かな尋問官たち(「オビ＝ワン・ケノービ」)[c]2022 Lucasfilm Ltd.

西川「サード・シスターとの凸凹コンビも興味深かったですね。見た目的にはフィフス・ブラザーのほうがどう見ても極悪なのに、自制が効かない暴走キャラはサード・シスターという。わりと冷静なキャラクターという意外性もあったし、もっと掘り下げたらおもしろいのに」

佐藤「とはいえ、本筋はオビ＝ワンとダース・ベイダーに絞っているから、そこに集中するとドラマとしてすごくおもしろいよね。2人の物語を軸とした、太い筋をしっかりと見せてくれたことにストイックさを感じたかな」

西川「“師弟愛”萌えのような見方でも楽しめそうですよね」

下田「ドラマのスタート前に、デボラ・チョウ監督が2人の関係について“ラブストーリー”と表現していて、そのあたりを煽るような発言もありました。だから、延々と相思相愛の愛憎を描いていくのかなと期待していたけれど、そこまで2人ぼっちのラブラブな話ではなかったなと」

佐藤「エピソード3の、惑星ムスタファーで2人が対決した際は、際どいセリフのやり取りもあって、いろいろな憶測が飛び交ったよね」

西川「アナキンの『I hate you.(あんたが憎い)』に対し、オビ＝ワンが『You were my brother, Anakin. I loved you.(弟だと思っていた、アナキン。愛していた)』と返すので、長年妄想を膨らましているファンもいたそうです。そこで公式が、『満を持して映像化します』と言ったら、相当2人がイチャイチャすることを期待しちゃいますよね。実際、ライターさんでも『楽しみでしかたない』と言ってる人がいましたから」

惑星ムスタファーでの、オビ＝ワンとアナキンの戦いが涙を誘った (『スター・ウォーズエピソード3／シスの復讐』)[c]2022 Lucasfilm Ltd.

佐藤「そこは期待に応えられていたのかな？」

西川「思ったよりあっさりしてましたかね」

下田「もちろん2人の相思相愛感はあったのだけど、オビ＝ワンが力を取り戻す源となったのがレイアとルークの存在だったんですよね。ダース・ベイダーは憎しみながらもオビ＝ワンを追い続ける執着のような愛があるけれど、オビ＝ワンはもう違う道を見ているんだなという気持ちになりました。そう考えると、ベイダーはちょっとかわいそうかなと思うところもあって。『マスター』と叫んだ時は、アナキンが残ってる！ってせつなくなりました」

佐藤「オビ＝ワンはレイアをすごく大切に想っていたよね。でも、終盤で2人が再会した時にレイアは、オビ＝ワンではなく、その横にいたドロイド(ローラ)のほうに駆け寄っていくという…」

西川「“おじさんあるある”の悲哀ですよね。姪っ子に会いに行ったら、持っていったおもちゃに興味津々みたいな(笑)。レイア役のヴィヴィアン・ライラ・ブレアは『ヒーローキッズ』にも出ていた子だけど、めちゃくちゃかわいかったですよね」

相棒のドロイド、ローラを大事にしているレイア(「オビ＝ワン・ケノービ」)[c]2022 Lucasfilm Ltd.

佐藤「クワイ＝ガン・ジン、やっと出てきたね。もっと早く出てきてほしかったな。オビ＝ワンはずっと呼びかけていたのに、最後の最後までなかなか登場しなかった」

西川「欲を言えば、オビ＝ワンとダース・ベイダーが戦う前に出てきてくれたらもっと盛り上がったのに」

佐藤「『お前にパワーを授ける』みたいな勇気づける存在とかでね」

西川「そうそう。オビ＝ワンが『もうダメだ』となった時に、ついに現れるみたいな形で。少年ジャンプ的な展開を求めていました」

佐藤「そうなれば、オビ＝ワンがかつての力を取り戻したことにも説得力が増したよね」