クォン・サンウ、キム・テリらが出演する珠玉の名作から、激動の時代を歩んできた韓国を知る!
学生運動家不審死事件を発端とする韓国全土を巻き込む闘争の物語『1987、ある闘いの真実』
『サニー 永遠の仲間たち』のなかにも登場した民主化を求める闘争は、1987年にピークを迎える。『1987、ある闘いの真実』(17)は、1月14日にソウル大生が取り調べ中に不審死を遂げた事件から始まる、この年の出来事を時系列で語っていく。事件を担当した検事から、死の真相に迫ろうとする新聞記者、受刑者からのメッセージを外部に伝える刑務官、民主化運動の意味に気づいていく大学生と、まるでリレーのバトンを渡すかのように中心人物が交代していく展開がユニークだ。
また、実在の人物をモデルにしたキャラクターを多数登場させつつも、不審死についての調査を行おうとするチェ検事役のハ・ジョンウと、力で民主化運動を潰そうとするパク所長役のキム・ユンソクの対決シーンを西部劇風に見せるなど、随所に映画的な楽しさも挿入されている。映画の後半を牽引する大学生役を『リトル・フォレスト 春夏秋冬』(18)やドラマ「二十五、二十一」のキム・テリがいきいきと演じている。
1987年の民主化運動は、全斗煥の後継者と目されていた盧泰愚に「大統領直選制」を盛り込んだ「民主化宣言」を発表させるという結果をもたらしたが、同年の12月に行われた大統領選挙では、盧泰愚が当選。その後、1992年の選挙で民主化運動のリーダーであった金泳三(キム・ヨンサム)が大統領に当選した。
1997年11月には、アジア通貨危機の波及で外貨が不足し、IMF(国際通貨基金)から緊急融資を受けるという事態が発生し、多くの人が仕事を失うなど、社会に大きな傷を残した。その最中である1998年に大統領に就任した金大中(キム・デジュン)はIT化を推進し、映画を中心としたコンテンツ事業の育成にも力を入れたことで知られ、現在に至る基盤を作った。
北緯38度線付近を境に2つの国が対峙するという状態が70年以上にわたって続くなか、激動の歴史を基にした完成度の高い映画を作り続けてきた韓国。8月のスターチャンネルEXの「もっと観るべき韓国映画」特集ではほかにも、ソウルの街の真ん中を流れる漢江に浮かぶ島でサバイバル生活を送る男が主人公の『彼とわたしの漂流日記』(09)、ラジオの生放送中にかかってきた爆破予告の電話から始まるサスペンス『テロ,ライブ』(13)、カン・ドンウォンが美しい悪役として華麗に登場する時代劇アクション『群盗』(13) 、叩き上げの刑事と財閥の御曹司の対決を痛快に見せる『ベテラン』(15)といった多彩なジャンルの作品がそろっている。さらに、9月には「梨泰院クラス」や『ベイビー・ブローカー』(公開中)で注目を集めたイ・ジュヨンが主演を務め、プロ野球選手を目指す女子高生の奮闘を描く『野球少女』(19)や、実力派俳優ソン・ガンホが主演し、盧武鉉元大統領が弁護士時代に担当した釜林事件を題材にした人間ドラマ『弁護人』(13)など話題作をラインナップ。世界を魅了するその真髄を、スターチャンネルEXで確かめてみてほしい。
文/佐藤結
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