コリン・トレボロウ監督が明かす、「ジュラシック・ワールド」完結への想い「人と恐竜は絆を持つことができる」

インタビュー

コリン・トレボロウ監督が明かす、「ジュラシック・ワールド」完結への想い「人と恐竜は絆を持つことができる」

巨匠スティーヴン・スピルバーグが恐竜たちに命を吹き込んだ、『ジュラシック・パーク』(93)の衝撃から29年。MOVIE WALKER PRESSでは、世界的メガヒット・シリーズの完結編となる『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の公開にあわせ、シリーズを率いてきたコリン・トレボロウ監督に独占インタビューを敢行した。

前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)の驚愕のラスト、火山の大噴火でイスラ・ヌブラル島の恐竜たちが地球上のいたるところに解き放たれてから4年。世界は人間と恐竜の共生が当たり前になりつつあるが、そんななか、クローンの少女メイジー(イザベラ・サーモン)を連れ、人里離れた土地でひっそりと暮らしていたオーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)を新たな事件を襲う。巨大バイオテック企業に、恐竜ヴェロキラプトル“ブルー”の子ども“ベータ”とメイジーがさらわれてしまったのだ。

「本作では、恐竜を自然なリアリティをもって描きたかった」

コリン・トレボロウ監督に独占インタビュー!
コリン・トレボロウ監督に独占インタビュー![c]Everett Collection/AFLO

そんな目を疑いたくなる光景から始まる本作は、前作ではスピルバーグとともに製作総指揮と脚本に回っていた『ジュラシック・ワールド』のトレボロウ監督が復帰。そこで、まずは監督のポジションに戻ってきた心境を聞くと、「1作目を撮った時から、このローテーションは決まっていたんです」と瞬時に笑顔を見せる。

「前作の監督を依頼したフアン・アントニオ・バヨナも美しく、すばらしい映画を作ってくれました。ただ、最初から3作全体の大まかなビジョンやストーリーは決まっていたので、前作ではバヨナとその細部を綿密に打ち合わせをして、シリーズの最後を飾る今回は自分が再び監督をすることになっていたんです」。


【写真を見る】大迫力のシーンが続々!恐竜たちがスクリーン狭しと大暴れ
【写真を見る】大迫力のシーンが続々!恐竜たちがスクリーン狭しと大暴れ[c]2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

2015年の新シリーズの1本目から3部作全体の構成とストーリーは決まっていた!ということは、人間と恐竜が共に暮らしている本作の世界観も最初から決まっていたことになる。前作のラストの衝撃とあまりにもかけ離れていて、少々肩透かしをくったような印象があったので、その旨を率直に伝えると、「あの構図も、もちろん意図的です」とトレボロウ監督。

「現実の地球でも、虎や熊といった野生の動物たちがジャングルや山で生活している。無闇に都市部に出てきて、人を襲ったりしないですよね。それと同じで、恐竜たちもきっと自然界にいるだろうなと思ったので、そういう繋がりや関係性を映像で見せたかったんです」。

いや、確かにそうかもしれない。だが、前作のラストの展開から、都市部での恐竜と人間の戦いを思い描いた人は少なくないはずだ。さらにそう突っ込むと、トレボロウ監督は「大都会を破壊する巨大な爬虫類の役割は、ゴジラがもう十分担ってくれていますよ(笑)。そして、もちろん私はゴジラをリスペクトしています!」というジョーク混じりの言葉を挟んでから続けた。

「いちばん大事にしたのは、マイケル・クライトンの原作小説に忠実であることでした。彼の書いたSFスリラーの世界観がとてもリアルだったので、私たちもファンタジーに走るのではなく、現実の世界と地続きのリアリティを持たせたかったんです」。

関連作品