21年ぶりに帰って来たアラン・グラント博士!「ジュラシック」シリーズでの活躍や古代生物への愛たっぷりな人物像に迫る
グラント博士の新たな一面が掘り下げられた『ジュラシック・パークIII』
「ジュラシック・パーク」での恐ろしい体験を通して、遺伝子組み替えで生みだされたのは恐竜ではないと結論づけたグラント博士。『ジュラシック・パークIII』で化石から真実を探る日々に戻っていた彼は、パーク用の恐竜の飼育施設がある小島のサイトB近くで消息を絶った息子エリック(トレヴァー・モーガン)を捜す夫婦にうまく丸め込まれ(飛行機で島の上空を飛ぶ際のガイドを依頼された)、再び恐竜たちの島へと舞い戻ることに。
ここでのグラント博士は、自ら危険に飛び込もうとする素人たちの尻を叩きながらジャングルを奔走。成功を夢見る助手の青年ビリー(アレッサンドロ・ニヴォラ)との軋轢、恐竜好きのエリックと一緒にマルコムをディスるなど、これまでにないグラントの人間味あふれる一面が描かれたのも見どころだった。
固い絆で結ばれたサトラーとの絶妙なコンビネーション!
『ジュラシック・パークIII』の時点で、サトラーはグラント博士と別れて別の男性と家庭を築いていた。それでも彼らは友人同士で、その固い絆がサイトBで追い詰められた博士たちを救うことになった。『~新たなる支配者』では、それ以来となる2人の活躍を見ることができる。人生の後半で再びパートナーシップを組むことになったグラント博士とサトラーの絶妙なコンビネーションに、きっと癒やされることだろう。
なお、『ジュラシック・パークIII』にはグラント博士たちがラプトルの群れに囲まれてしまう場面がある。絶体絶命のその時、博士はラプトルの化石データから3Dプリンタで出力した共鳴腔で彼らとコミュニケーションを図ろうとし、ラプトルを混乱させて難を逃れることに成功した。『ジュラシック・パーク』でも鳴き真似でブラキオサウルスを呼び寄せていたが、その姿はラプトルの調教を試みるオーウェンの原型とみることができる。『~新たなる支配者』で、そんな新旧恐竜使いがどう共演するのかにもぜひ注目してほしい。
最後の登場から21年。愛用の中折れ帽にブルーのシャツを着込んで「ジュラシック」シリーズに帰ってきたアラン・グラント博士。髪や蓄えた髭を白く染めつつも、オーウェンたち「ワールド組」に負けじと恐竜たちに立ち向かうレジェンドの勇姿をぜひスクリーンで味わってほしい。
文/神武団四郎