子役から大人の実力派俳優へ…すでに芸歴17年を迎えたヨ・ジングの魅力に迫る
料理人に教えを受けて挑んだシェフ役…「LINK:ふたりのシンパシー」
演技、バラエティ、MC…と幅広く活躍し、「ジャンルを限定しない、オールラウンダーな俳優になりたい」という彼が選んだ最新出演作が「LINK:ふたりのシンパシー」。彼にとっては久々のラブコメとなる。
本作で演じているのは、テレパシーにより、双子の妹の感情とリンクしていたが、妹が行方不明になって以来その能力が消えてしまったゲフン役。しかし18年経ったある日、突然何者かの感情を感じ取れるようになり、その感情の主を探すために妹が消えた町に戻ったところ、感情の主の女性と出会う。なぜ2人はつながったのか、また、この町が隠している秘密はなんなのか…。18年前の事件で傷を受けた人々を癒すヒューマン・ミステリー&感情共有ファンタジー・ロマンスという、新たなジャンルミックス作品だ。
本作で演じているキャラクターははシェフの役だが、普段の彼も料理が趣味。その腕前は前述の「車輪のついた家」などでも披露済みだ。だが、今回はプロの設定なので、本物のシェフに、料理の基礎から一流レストランの料理人の態度まで学んだそう。また、お店で一日見習いとして働いて、実際のキッチンの流れや雰囲気もつかんだとのこと。毎回役柄に真摯に向き合い理解を深めようとする努力が、キャラクターにリアリティを持たせ、没入度を高めている理由なのだろう。
ムン・ガヨンとは子役時代に2度共演していて、今回が大人になってから初の再会。旧知の仲なので、最初からとてもリラックスして撮影できたとのこと。アドリブもふんだんに入れて息の合ったところを見せている。彼は、このドラマの気に入ってる点として、彼は「食事を通して2人の距離が縮まっていくところ」を挙げており、2人が近づいていく過程も楽しんでほしい、と語っていた。
ヨ・ジングは漢字で書くと「珍九」。9つの宝に恵まれるという意味が込められているんだそう。名前の通り、いくつもの才能に恵まれている彼だが、この先もまだまだたくさんの宝に恵まれるはず。どう活躍の幅を広げていくのか、楽しみしかない。次回作は、2000年に公開された同名映画のリメイク『リメンバー・ミー(仮題)』。時空を超えたロマンスを演じる彼の演技がいまから待ち遠しい。
文/鳥居美保